起き上がる男
目を覚ましたジェグのもとにフィーネが近づいて行く。
「起きたのですね。」
薄暗かったためフィーネは調子に乗り女神のような対応をする。
「あの、私はどこにいるのですか。」
「ここはあの世です。あなたは死んでしまったのです。」
「そうだったのか。やっぱり体の中の何かが抜けるような気がしたんだ。」
「そうなのです。」
フィーネは適当な相槌を打つ。
一方ジェグは真剣に死んだと思い、暗い表情を作っていた。
「どうしたのですか。」
フィーネは少し気になりジェグに質問を問いかける。
「ある少年に必要とされてね。」
「ほぉ~、それで。」
「わしにとってはほとんど初めて必要とされた瞬間だったのです。」
「なるほど。」
フィーネは頷く。
ジェグは親身になってフィーネが聞いてくれているように感じていた。
「少しお待ちください。」
そう言ってフィーネは錬のもとに向かう事にする。
「女神様一体どこへ。」
「少しお待ちください。」
錬のもとへ行くとフィーネは錬の頬を叩く。
「起きて。」
「ん、うぁぁぁ。」
あくびを出しながら錬は起き上がる。
目を掻きながら周りを見渡す。
「なんだ。」
「ジェグさんが起きましたよ。」
「分かったよ。」
錬はフィーネからそう聞きジェグのもとへ行く。
「おはようございます。」
錬が何もせず座っているジェグに声をかける。
するとジェグは声を上げる。
そして、錬の後ろにいるフィーネに声をかける。
「どういうことですか。」
「どういう事もこう言う事もないですよ。」
「え、でもわしは死んだはずじゃ。」
その言葉に錬はフィーネの頭を軽く叩く。
「何嘘ついてるんだ。」
「ハハハ」
三人の話し声がうるさかったのか皆が続々と起き出した。