消え去った影響
錬が二人に説明を終えると二人は頷いていた。
「理解はしました。」
「あぁ、俺もだ。」
「この後の事を少し言ってもいいですか。」
「どうぞ。この後に何が起こるのか予想がついているのなら知りたいものだ。」
リェルは興味津々な眼差しを向けているが冷静な表情を保っている。
「多分なんですが、ジェグさんのあのユニークスキルは消え去りました。」
「どうしてそう言い張れるのですか。」
「僕はこの状況を起こした時に僕しか知らない女性がいたんです。」
「なるほど。」
興味深そうにリェルは頷く。
「その女は魔法陣を消すと同時に消えたんです。」
「なるほど、その魔法陣に関係するものが消滅したのか。」
「そうなりますね。」
「だが、倒れた事と関係があるのか。」
「ありますとも、突然体にあったものが消えたらおかしくなるでしょう。」
「そう言うものか。」
「ではリェルさんは体の中にある臓器がいきなり消えたら意識を保ってられますか。」
「確かにそうだな。」
顔を青白くさせリェルは体を震わした。
「起こるには時間が掛かるかもしれませんがゆっくり待ちましょう。」
「そうですね。」
錬とリェルは話をつけ看病していた三屋に礼を言う。
そして四人は交代で看病を続けることにした。
日が傾き空が赤く染まってきたころリアたちが帰ってきた。
リアはジェグを見て慌てていたが落ち着かせると皆で看病することに決定した。
かなりの人数で看病を交代したため皆が皆そこまで疲労感が無く看病をし終えた。
朝日が昇りあまり時間が経たない頃、ジェグは目を覚ました。