効果のある場所
子供たちが不乱に走り出した。
錬はその子供たちに続き走り出したのだった。
「おい、どうしてバラバラに走るんだよ。」
錬が塵ジリに走る子供たちに問う。
「だってどこだが知らないもん。」
そう言って、すぐに前を向き走り出した。
錬は渋々適当な子供について行く。
そこまで広い場所というわけではないのだが、子供なのですぐに一人になってしまった。
「君はどこにありのか知ってるの。」
「分からないよ、でもね。ヒントは知ってるよ。」
「そうか、君は優秀だな。お兄さんにも教えてみな、手伝ってあげるから。」
「え、本当にいいの。」
「もちろんだよ。」
「やった~」
そう言って、目の前の男の子が錬に耳打ちをする。
すると、錬の目が見開かれた。
「その場所、知ってるぞ。」
「本当に、早く連れて行ってよ。」
錬は男の子の焦り具合に何かを察する。
「何か隠してるだろ。」
「どうして。」
「そんなにも焦ってるから、何かあるのかなって。」
「うん、早く行けば行くほど効果があるらしいんだ。」
「そうか、じゃあついて来い。」
錬は目の前の男の子を魔法陣に連れてきた。
「ここだよ。」
「ほんとだ。噂通りの場所だ。」
そう言って、男の子が魔法陣の上に立つと光り出した。
「えっ」
錬が驚いて近づこうとすると何かにはじかれた。
「どうなってる。」
錬がどうにかしようとしていると、木陰からよく見る男が立っていた。