子供達の行きたい理由
聞きたいことは一通り聞けたのだが、子供たちに急かされたため久渡寺に向かっていた。
「どうして、君たちあのお寺に行きたいんだ。」
錬が子供たちに聞いてみるが子供たちが顔を見合わせる。
「だから、言ったじゃん。お母さんたちに行くなって言われてるから気になるんだよ。」
「いや、嘘だろ。」
錬が子供たちの顔をジロリと見つめる。
「ほ、ほんとだよ。」
「そうか、ほんとの事言わないなら連れて行かないけど。」
「え~、卑怯だよ。せっかく教えたのに~」
子供たちがブーブー言ってくるが錬は無視をする。
「大人は卑怯なんだよ。」
「はぁ、大人じゃないだろ。」
マジレスしてくる子供に錬はキレそうになるが心を落ち着かせる。
「別にもう知りたいこともないし、どうでもいいんだよ。」
「やっぱりひどいよ。」
「「そうだよ」」
子供たちが頑なに何も言おうとしないので進行方向を変える。
「じゃあな。」
「ひどいよ~」
子供たちは錬の服に掴んだり、グーでパンチしてきたりと抵抗してくる。
「イッた、やめろよ。」
「じゃあお寺に行かせてよ。」
「行く理由を教えてくれたらな。」
子供たちはまた一度顔を見合わせる。
「教えたら行かせてくれるの。」
「もちろんだ。」
「それじゃあいいよ。」
子供たちはなくなく行きたい理由は話し出した。
「行くなっていられていることもあるんだけど。」
「だけど。」
「だけどね、皆の中でうわさがあるの。その噂はね、好きな人に気持ちが伝わるって事なの。」
錬は何も言わず黙ってお寺に向かいだした。