寺に向かいながらの雑談
錬たちは久渡寺に向かいながら会話を続ける。
「おい、早く言えよ。」
「待ってくださいよ~」
会話はしているものの一切進んでいなかった。
さらに子供たちが錬が責めたてる言葉が可哀想だと、やめさせようとしてくる。
「また、お兄さん怒ってる。」
「「ほんとだほんとだ」」
ずっとこのような調子のため一向に話が進まないのだ。
「君たちは黙っていてくれ、大切な話なんだ。」
「じゃあそんなに責めたてたら可哀想だよ。」
「「そうだそうだ」」
錬はかなり頭に来ており、腕が上がりそうになる。
「ねぇ、君たち僕もそろそろ怒るよ。黙らないとお寺に連れて行ってあげないよ。」
「それはおかしいよ、せっかく教えてあげたのに。」
「「そうだよ、おかしい」」
子供たちに責めたてられ錬はかなり苛立ちが隠せなくなっていた。
「おい、黙れよ。」
錬はニコリと笑っているが目が笑っていなかった。
「わぁ~、怒った~」
子供たちは錬を煽りだしニコニコと笑っている。
「竜胆君は子供に人気なんですね~」
「そんなわけないだろう。」
「見ていれば分かりますよ~」
「そうか、ならお前の目は節穴だよ。」
錬はそう言って子供たちから距離をとる。
「早いとこ教えてくれ。」
「そうですか~、分かりましたよ~」
錬はやっとかと思い、ため息が漏れてしまった。
「じゃあ頼んだぞ。」
「分かりました~」
そう言って今度こそ幽霊の女は話し出した。