話の決着へ
錬は昨日ジェグに休むことを伝えたため今日は店にいない。
リェルとガルディナに店の方は見貸せているので大丈夫だろうと予想している。
錬が今いるのは久渡寺だ。
教えてもらった場所とは少し違っていたが難なく着けた。
「ここに来るのは久しぶりだな。」
錬はジェグから教えてもらった、魔法陣の場所に向かう。
特に何もないのだが、悪寒走るような不気味な雰囲気がある。
錬が触ってしまった、お札の場所を通る時に何か聞こえたような気がしたが、錬は耳をふさぐ。
速足で向かい錬はかなり早く魔法陣があったとされる場所にたどり着いた。
「ここかぁ~」
専門家でもないのに錬は顎に手を当てて考える。
「うん、何も分からない。」
錬は肩を落としデュマリオの所に向かうことにした。
もう一度お札の横を通る時に声がしたが、錬は寺の外に向かって全速力で走った。
錬は寺から抜け街中を歩いていると、数人の子供に指を指された。
錬は気にしなかったのだが、子供たちの親が「やめなさ。」と言っているのが癪に障った。
錬自身、特に変化はないと思っているのだが少し気になってしまう。
昼に差し掛かる頃に錬はデュマリオの店にたどり着いた。
「す、すいません。」
「はい、いらっしゃいませ。って錬か、何か用か。」
デュマリオは気軽に店の部屋の奥に入れてもらえた。
「で、用は何だ。」
「僕は今日久渡寺に行ってきました。」
「そうか。」
デュマリオの表情は何か苛立ちを秘めているように感じた。