圧倒的敗北
錬とメリアが朝食をとっているとガルディナがやってきた。
「遅くなってすまん。」
「いいよ、早くご飯食べて行こうぜ。」
錬がそう言うとガルディナが飯をかけこんだ。
あまり噛んでいるように見えなかったがガルディナ個人の事なので触れないでおいた。
「よし、食べ終えたな。」
錬が食器を流し台に置くと同時に言うと、
「大丈夫だぜ。」
「私も。」
二人は準備が整ったようですぐに行けるようになっていた。
「よし、行こうか。」
錬は荷物を持ち二人と一緒にペンションから出る。
特に何事もなく楽しく歩いていると、ジェグがいる店に着いた。
今回はしっかりと店の名前を見ると【プロスト】という名前だった。
錬は扉を開け入ると誰もいなかった。
昨日はまだ電気がついていたのだが今日は電気すらついていなかった。
「ジェグじいさん、いませんか~」
錬が叫ぶが声がこだまするだけだった。
「あの、おじいさんはいないのか。」
「今日は多分いないな。」
錬は頭をポリポリと掻きながらため息をつく。
「準備をしようか。」
錬はそう言って店の商品の並び替えを始める。
商品は相変わらず多くあり全く困らない。
鑑定スキルを誰も持っていないが錬はメアリヤから習った方法で見分ける。
正答率はそこまで高くはないが賭けに出る錬の横でメリアがパパっと整理し始めた。
「メリアは出来るのか。」
「もちろんだよ。どれだけお母さんと一緒にいたと思ってるの。」
そう言って品質の良さそうなものを人の目がつきやすい所に置きだした。
錬は唖然として、ガラクタのような物を隅に追いやった。