下層への経緯
今日は下層に向けて三人は歩き出す。
中層部の安全地帯から下への階段を降りようとしている。
錬は、宿屋で昨日儲けたリオを泣く泣く使い食費を抑え下層の安全地帯へのマップを購入した。
その時に未だに見つかっていない道のマップをメモし、報告すればリオを貰えることも教えてもらえた。
短い階段を降り終え錬はマップを開く。
「大体の道筋は大きめの照明が設置しているらしい。途中からなくなるらしいからそこまでは大丈夫だと思うよ。」
「その情報があるのにマップ買った意味あったの。」
リオもったいなかったんじゃと言う目でじっとリアに錬は見つめられる。
「照明があるところまではいいんだけど、その後が以上に入り組んでいるらしい。だからアイテム消費が激しいらしいんだ。」
「そうだったの。それはマップ必要かもね。」
「錬兄ちゃん、えらいね。ちゃんとちらべてて。」
「そうだな、そういうことを調べているのはいいことだ。」
「そうだろ。え、」
突然後ろから男の声がする。
錬が振り向くと昨日アイテムを買った少ない人のうちの一人だった。
三人はすぐに理解する。
ガルディナだ。
「お前達、下層に行くのか。昨日は行かないみたいなことを言っていたのに。」
「気が変わったんだよ。全く儲からないから場所を変えることにしたんだよ。」
錬は、ガルディナに少し牙を向ける。
「そう怒るなよ。まだ、返答はしなくてもいい、でもきっとそんなことだろうと思って手伝ってやろうと言う粋な思いだよ。」
「ありがとうございます。ガルディナさん。」
「それほどでもないさ。」
やはり、下心が出ているなと思いつつ錬は呆れる。
「まぁ、感謝するよ。ありがとう。」
「いつかお礼をくれよ。」
ガルディナは、やはり下心だけではないと少し感じさせる行動もとっているが錬は、見向きもしない。
「照明が少なくなってきたな。マップを開けるからちょっと待ってくれ。」
前を歩いているガルディナに錬は、言葉を投げかける。
「大丈夫だって、安全地帯までの道は覚えているからついて来いよ。」
「ガルディナさん、すごい。錬兄ちゃん、お姉ちゃん、行こう。」
メリアがそそくさとついて行く。
「錬、行くよ。」
リアもすぐに後ろに着く。
「はぁ、マップせっかく買ったのに。」
錬もうな垂れながら昨日より重く感じる屋台を押しながらついて行く。