違和感
ペンションに着くと夕ご飯のいい匂いが漂ってきた。
「いい匂いだね。」
「そうですね。」
リアとキュラが楽しそうにしている一方で錬は未だに押し黙っている。
「錬は早く食べに行こう。」
「リア焦っちゃダメだ、まず手を洗いに行こう。」
「それも、そうだね。」
リアは走ってすぐに手を洗いに行った。
錬もキュラもそれに続き手を洗いダイニングに向かった。
「おかえり」
メリアが出迎えてくれた。
その奥ではフィーネが料理を終えて手を拭いていた。
リェルとガルディナが食器を運び食べる準備は整ったようだ。
「じゃあ食べようか。」
そう言って、錬たちは椅子に腰かけた。
「いただきます。」
「「いただきます」」
錬に続き皆が合掌した。
錬以外は今日あったことを言い合っているのだが、錬は何も発言することなく黙々と飯を食べた。
「ごちそうさま」
錬はそう言うと食べ終えた食器を流し台に持っていき自室に足を運んだ。
皆は何か言いたげだったが何も言わなかった。
「錬大丈夫か。」
「どうだろう。今日の仕事の時からだよ。」
「どうしたんだ。」
ガルディナがリアとキュラに問うと二人は説明した。
「そんな事があったのか、でも珍しいな。」
「だよね、いつもはあるもの全て利用しようとするのに。」
錬を除いた皆がその話題を話し出した。
その話題でかなり時間をくった。
全員は食器を洗い、ダイニングから出ると玄関の扉が開く音がした。
皆が皆走って見に行くと汗だくの錬が立っていた。
そのわきではティオがいる。
「錬、どこに行ってたの。」
「関係ないことだ、店を手伝ってくれるだけでいい。」
口調が荒い錬にリア何も言えず黙ってしまった。
「そんな言い方はないだろう、リアの嬢ちゃんだってお前の事を心配しているんだよ。」
「これは僕じゃないといけないんだ。」
そう言って自室に向かって走って行ってしまった。