リアの気持ち
「錬仕事って何をすればいいの。」
「昨日見た感じでは魔石売りとアイテム売りかな。」
「それだけでしょうか。」
黙って一歩後ろを歩いていたキュラが突然声を上げる。
「どういうことですか。」
「商品はそんな感じのものを置いていましたが何かを感じました。」
「キュラさんは凄いですね。僕は全く何も感じませんでしたよ。」
「わ、私だって気づいていたよ。」
「リアなんだよ、いきなり。さっきまでなにも分かってなかったのに。」
「錬さん、そんなに言わなくてもいいじゃないですか。」
「そうは言っても突然意味が分からなかったから。」
「まぁまぁ」
「そうだよ、そんなに責めなくても・・・・・・・・」
リアの声がドンドン小さくなっていき最後の方は聞こえなかった。
錬は少し申し訳なさそうにしながら黙ってしまう。
錬の隣にいたリアはキュラの隣に移動してしまった。
「キュラ、錬は酷いよ。」
「リアさん、錬さんは鈍いのでしょうがないでしょう。」
「でもそう言ったって・・・」
「もっと積極的に行くしかないですよ。」
「でも、最近忙しそうで迷惑かけたくないし・・・」
「そんな事言って、新婚でも付き合っているわけでもないんですから。グイグイ行かないと。」
「でも、でも」
「でもは無しにしましょう。」
そう言って二人は話していると、昨日見た店が近くに見えた。
錬は振り向くことなく店に向かって歩き続けた。