二人の相談
(フィーネ、ダンジョンに本当にアンチ武器があるのか。あと、このダンジョンのボスにしかアンチじゃないのか。)
『う~ん、そうですね。大体はありますよアンチ武器。無いところもたまにありますが。まぁ、実物を見ないと分からないですが稀に属性アンチがありますよ。』
(もし、あったとして誰よりも先に見つけたら見せるよ。)
『そうですね。聞きたいことがあったらきちんと答えるのでいちいち愚痴らないでくださいね。もう少しで克服出来かけていたのに。』
(そうですか、すいませんね。)
少し煽りあいをしフィーネからの通信が途切れる。
「錬、大丈夫。遠くを見る目をしてるけど。」
「錬兄ちゃんもきっと疲れてるんだよ。」
フィーネとの会話を終え二人が目の前にいることに気づき驚く。
うわ、居たのか。
てっきりまだ帰って来てないと思っていたのに。
声にならない声をあげ錬が驚いていることも知らず二人は話しかけてくる。
「本当に大丈夫。」
「お姉ちゃん、休ませて上げたらいいんじゃない。」
「あぁ、大丈夫。あの男の人がまさか最後の客になると思っていなくてうな垂れてただけだから。」
ガルディナが去ってから五時間は経っているだろうがなかなか買ってもらえない。
大体の人たちはこのダンジョンの近くにある、宿屋で泊まっているのでそこでアイテムを補充しているらしい。
やっぱり、もう少し深くで売った方がいいな。
そんなことを考えていると二人が上に行く階段を登ろうとしている。
「早く、帰るよ。」
リアに呼ばれ錬も少しだけ少なくなった屋台を押して階段を登りだす。
もう少しで上層部に差し掛かる時に話を切り出す。
「なかなかアイテムが売れないんだ、もう少し下の階に行かせてくれないか。」
「どうしようかな、多分行けなくはないんだけどメリアの練習が大変になるからな。」
「売れなきゃ商売が無い経たないから宿屋に泊まれなくなるぞ。」
「脅すのは酷い、まぁ、そこまで言うなら言ってもいいかな。」
「よし、決まりだ。よろしく。」
錬はこれで商売がしっかりできると喜び楽しそうに階段を駆け上がろうとするが走れず詰まる。
「おも、重くなってる。」
「錬兄ちゃん、よろしくね。」
メリアは屋台に乗り込みスヤスヤと眠りにつく。
二人は、苦笑しながら宿屋に戻る。