ダンジョンで仕事始めようかと思います。
錬達一行は今商売をしている。
決して街の中ではない。
たまに出会う冒険者と情報を共有してもらった末いる場所は何と・・・
未だにクリアされたことの無いダンジョンの中層部、安全地帯だ。
ダンジョンには、いたるところに休憩できる場所がある。
それを見つけ出すのは先陣を切って攻略を始めてくれた人たちのおかげだ。
このダンジョンがクリアされないわけはモンスターが弱いのに以上に長く持ってきているアイテムが底を尽きてしまうからだ。
さらには、ボスだけ以上に強く疲労からまともに戦い続けれないとのことだったので、リアに守ってもらいながらここにやってきたわけだ。
「いらっしゃいませ。ここには、薬草から武器の刃こぼれを直す研石まで色々な物がありますよ。」
錬が何時間も呼び掛けているがなかなか買ってくれる人は少ない。
リアはメリアに才能を感じたのか、ダンジョンの上層部で戦い方を教えている。
(はぁ、やっぱり中層部じゃなかなか売れないか。下層部まで行くと流石にリアが大変だろうし。どうするかなぁ。)
考え事と何度か繰り返しているとガタイの良い男がやってきた。
「おぉ、このダンジョンでもついに店を始めた奴が来たか。あぁ、すまんな。俺はガルディナ。このダンジョンに潜り続けて五年は経つ。俺は、一人で冒険家業をしているからなこうゆうのが助かるんだよ。」
聞いてもいないことを話しながらガハハと笑う男はいくらか話し終えた後、
「お前さん、もしかして一人でやってんのか。良かったら俺と組まねえか。」
「まず、僕は一人じゃない。それに僕を連れて潜っていったら足手まといだぞ。」
「そうか、そんなに大きな屋台を持ってるんだアイテムさえ選んで持ってこればこれほどにもない良いサポーターになると思ったんだがな。」
悲しそうなおもむきで去ろうとガルディナを後ろから呼び止める幼い少女の声がする。
「おじちゃん、錬兄ちゃんと仲間になるの。」
首を傾げながら聞いてくるメリアにガルディナはポカンとした表情をする。
「やっとお客さん来てくれたんだね。」
メリアに続いて後方からリアの声が響く。
リアを見た男はすぐに錬の方向を向く。
そして、錬はマジかと、おもいながらもガルディナの言うのを待つ。
「お前さん、俺を仲間に入れてくれ。」
(マジか、本当に言いやがったこいつ。)
錬は完全に呆れてしまっている。
明らかに下心丸出しで言ってきてるのだが二人は、新たに仲間が増えて嬉しいのかはしゃいでいる。
(フィーネ助けてくる、この下心丸出しの男どうにかしてくれよ。)
『自分で考えなさい。何度も言いますけれど本当の危機しか助けませんよ。』
そんなぁ。
と言う顔をしながら錬は肩を落とす。
まさに、自分の話術に頼ればいいものの焦ってしまい何も出来ずに固まってしまう。
たっく、どうしたらいいんだ。
頭の中で頭を抱え錬は悩む。
目の前ではニマニマと不敵に口を吊り上げ笑っている男が早くしろと急かさんばかりに仕草を送ってくる。
そして錬はゆっくりと口を開く。