秘密の抜け道
錬はキュラについて行き帰る。
少し来た道を戻り、森に近づいて行く。
「キュラさん、ペンションに行くための道はもう少しあっちじゃないですか。」
錬はデュマリオに案内されていった道を指さすがキュラは首を振った。
「大丈夫ですよ。もっと早く着きますから。」
そう言ってキュラは案内された道とは逆に歩き出した。
「本当にどこ行くんですか。確かに先ほどの道で少しだけ早くなりましたよ。」
「いいえ、あの道は違います。歩く速度ですよ。」
「でも、そっちに道ありましたっけ。」
「安心してください。」
自信満々にキュラはいい気分よさそうに歩く。
錬は自信満々のキュラとは真逆に本当に帰れるのか心配になった。
そして、少し歩くとどこかの店の裏側に着いた。
今の所時間的にはペンションには到底着いていない。
「こんな店の裏に来て何するつもりですか。」
「まぁ、見ていてくださいよ。」
キュラは近くにある茂みに入る。
錬も続いてついて行く。
「本当に行けるんですか。」
「もちろんですよ。」
数分歩くと草壁がありもう進めなくなった。
「どうするんですか。」
「まぁ、安心してください。」
そう言うとキュラは屈み四つん這いで草壁にあった小さな穴を通っている。
錬は続いて穴を通ろうとして四つん這いになる。
すると、キュラのワンピースから見えてはいけないものが見えてしまった。
「キュ、キュラ、見えてる。」
「え、あっ」
キュラは焦って手で後ろを押さえる。
「み、見ないでください。」
「ご、ごめんなさい。」
錬はすぐさま立ち上がる。
「通りきったら教えてください。」
「わ、分かりました。」
数分後二人共通りきり気まずい雰囲気が流れたままペンションまで歩いた。
時間は圧倒的にこの道の方が早かった。