ティオとの会話?
(我が名はティオ、我が主よ我の事を忘れてしまったのか。)
俯き悲しそうにしょぼくれるグリフォンが目の前にいる。
「そうか、ティオだったのか。なるほどな。」
そんな事を言いつつ錬は頷く。
「え、えええええええええええ・・・・・・・・」
そして、すぐさま驚きの声をあげ開いた口が塞がらなくなった。
『ほんとうなのか』
(もちろんだとも。)
『でも、どうやってそんな姿に。』
(主様は我を館に放置しただろう。)
『あ、ゴメン。』
錬は偽ユキの体を乗っ取ったフィーネについて行ったせいでティオを忘れていたことを思い出す。
(それからというもの、あの迷宮森を自力で森から帰ろうと試みると、不思議な亜空間に取り込まれてしまったのだ。)
『良く生きて出られたな。』
(他人事なのはいいが、我は悲しいぞ。)
『ゴメン、でもどうやって戻ってきたんだ。』
(その話はかなり時間が掛かってしまう。また話させてくれ。言いたいことが一つあるのだがいいか、主よ。)
『どうぞ。』
(なぜ、我は主様と話せている。)
『それもそうだな、どうしてなんだ。最近あった奇妙な事とかないか。』
(そうだな。本日ここに向かっている最中に青白く輝く石を飲み込んでしまったくらいか。)
『は、どうして飲み込んだんだよ。』
(小川で水を飲んでいると上流からものすごい速さで下ってきたのだ。回避する間もなく口から入ってしまった。それくらいか。)
『テメェ~』
(そう焦るな、話せるようになったことはいい事だろ。)
『そういう問題じゃない。あれは借り物だったんだ。』
(そうだったのか、すまなかった。)
グリフォンがこちらに頭をあげてくる事の見た目が凄いインパクトだったが気持ちは受け取った。
話しているといつの間にか日が昇って来ていた。