街へのひと時
旅を始めて一週間くらい経った頃屋台には荷物であふれかえっていた。
錬はメアリヤから色々な教えを受けていた。
錬には少しだが薬草などの見分けがつく。
さらにたまに会うモンスターを、リアが狩ってくれるのでたまにドロップアイテムを落とす。
そんなこんなでアイテムを積んでいくとあふれかえってしまった。
これで、やっと商売が始めれる。
そう決心していると周りの安全を確認しに行ったリアが帰ってきた。
「モンスターも全然いなかったし、人の気配も感じないから安全だと思うよ。」
「ありがとう。もう、今日は休もう。地図を持っていないから後どのくらいで街に着くか分からないから。」
もう、敬語をやめた錬はリアとかなり打ち解けていた。
「わたちも帰ったよー。」
意外に、いや、流石と言わんばかりかメリアは運動神経抜群で頭も回る。
安全なところをしっかりすぐに理解して木の枝や川の水をすぐに取って来てくれる。
もしかしたら、自然的な本能があるのかもしれない。
「メリア凄いじゃない。このずっと座っていた男より優秀だわ。」
「そんなこと言うなよ。僕は運動が苦手なんだよ。」
「そうね、メリア一人でもてるバケツも一人で持てないもんね。その屋台も私が手伝わないと押せないもんね。」
リアは呆れ顔になりながらも優しい口調で話しかけてくれる。
もう少しで日が暮れかけている中、三人は色々なことを談笑しながら夜を過ごす。
夜もかなりふけ三人の真ん中にあった焚火の火が消え少し肌寒くなった頃、一人に人間がこっそり抜け出す。
「一応、メアリヤさんに作らされた冒険者カードだけどあまり数値が伸びないなー。」
近くにある木や石を殴ってみるが何も伸びない。
自分は知能のみが高く他はからきしだった。
「せめて男なんだから二人を守れるくらいになりたいよ。」
こうして、またこっそり簡易布団に錬は戻る。
数値が上がるにはあげたいのもによって異なり特定の事を達成しないといけないことに気づくのはまだ先のことである。