ペンション内
ペンションの中に入ると外見とは裏腹にかなり清潔に保たれていた。
「意外にも綺麗だな。」
フィーネが錬に近づいてきてそうつぶやく。
もしかして、汚いと思っていたのが顔に出ていたのかもしれない。
もしそうならデュマリオさんに嫌な思いをさせてしまったかもしれない。
「そうだね。」
「錬は綺麗好きなのか。」
「そうだなぁ、好きな部類かも。日本ではずっと綺麗な部屋にしていたし。」
「そうだったのか、知らなかったな。」
「テレパシーみたいなもので話す時に心の中読めなかったの。」
「話したい事以外は遮断されるようになっているんだ。」
「そうだったのか。」
そんな事を小声で話しながら居間にあったソファーに座る。
他の皆は好き勝手に二階にある部屋を見に行ったり、ベランダに出たりしている。
そんな事に目もくれず錬はフィーネに問う。
「あの、デュマリオって人どう思う。」
「そうですね。少し何か匂いますね。まぁ、この街がユニークスキル持ちしかいないという事が関係しているかもしれませんが。」
「そうだよなぁ。あんなにも時間を稼いだんだから何か見つけたか。」
「もちろん。」
そう言うとフィーネはポケットからゆっくりと小さな輝く石を出す。
石は青白く光を放っている。
「これは。」
「私が持っている鑑定スキルではちょっと・・・」
フィーネは元女神なのでかなりのスキル性能を持っているはずなのでだが・・・
もしや、この石は何かが隠されているかもしれない。
それに、デュマリオがかなり儲けていることが分かっている。
少しの間この石を借りていても問題ないだろうと、二人で勝手に決めた。
そして、数時間後夜飯を作る当番決めのゲームが始まった。