錬の狂い
デュマリオを含めた八人は店に入る。
すると、すぐ近くのソファーで錬がのびていた。
「錬、起きろよ。」
ガルディナが頬をペチペチと叩き起こそうとする。
だがなかなか起きない。
それを見越していたメリアが手元にあった水筒を開ける。
そして、錬の顔にゆっくりと中に入っている水を垂らした。
「うぁぁぁぁぁ・・・」
錬は目を見開き目覚めた。
明らかに水で起きたにしては驚きすぎだ。
「どうしたの、錬。」
リアは錬の事を心配し声をかけると、錬は焦ったように訴えだした。
「僕は、僕は、人を殺めてしまった。みんなごめん、ごめん。僕は、男の人の首をもいでしまったんだ。・・・」
続けておかしいことを言い続ける錬にみんなは冷ややかな目を向ける。
「おい、疑っているのか。」
「どう考えても嘘でしょう。」
フィーネは一番錬の事を信じていない。
「本当なんだって。」
「錬さん、落ち着いてください。そんな事をもし、してしまっていたら服が血まみれになっているはずですよ。」
リェルも落ち着かせるように錬に言う。
だが錬はすぐに説明をする。
「僕はその時に水魔法を使っていたんだ。だから汚れていないんだ。」
錬がごちゃごちゃ言っていることにみんなが苛立ちを憶えてきた頃、デュマリオがお茶を入れ帰ってきた。
錬は大量のコップを持った男を見て震え出した。
「え、どうして。え、え、・・・・」
錬は頭で色々なことを考えた末、また気絶してしまった。
「今回の錬兄ちゃんおかしいね。」
メリアはリアに向かって言うと、リアが苦笑いを返した。