新たなるスタート
着いた街はシカランテと言う街だった。
この街には大きなお城がそびえたっている。
更には貴族が多く冒険者は肩身が狭い思いをしているそうだ。
貴族は財産でかなり強い護衛を連れているらしくモンスターが攻めてきてもすぐに撲滅されるらしい。
このことは全てフィーネから聞いたことだ。
一応バナックシェリーにあったお金を出来るだけ持ってきたがこの街ではとても少なすぎる。
お金持ちが多すぎて物価がありえない程高いのだ。
「リア、この街じゃお母さんを待っているうちに自分たちが潰れてしまう。違う街に向かおう。」
「嫌。この街が一番メイナスに近いのきっとすぐにお母さんが来てくれる。」
「だからと言って待ち続けたら、僕たち三人が何もなくなって死んでしまう。その後にメアリヤさんが来たらどうするんだ。」
「っう」
リアは言葉を詰まらせ黙ってしまう。
「お姉ちゃん、大丈夫だよ。お母さん強いもん。ちょっとくらい遠くなってもきっとすぐに来てくれる。」
メリアの慰めが心にきたのか姉としてこれ以上心配させまいとしたのかは不明だが顔を上げ決心した。
「そうね。移動しましょ。私たちがしっかり生活ができてお母さんを万全な態勢で迎えれるような場所に。」
そう決まると錬は持っているお金をギリギリまで使い、あるものを購入した。
一番お金を使ったのは移動式屋台だ。
まさか移動式の屋台だけで持ち金の七割を持っていくとは。
錬が頭を悩ませていると二人が近づいてきて微笑む。
「別にいいじゃない。必要なものなんでしょ。そのかわりしっかりお金儲けてよ。」
「錬お兄ちゃん、頑張って。」
そんな二人に申し訳なく思いつつも残りのお金で食料などを買いまた少し前にくぐった門を抜け、錬達は移動式の店の経営を始めながら旅に出る。