優柔不断な僕
竜胆錬は、大学院の帰り道トボトボと歩いていた。
自分の将来を決めることが出来ず高校も大学も大学院も進学し続けてきた。
だが、後一年で大学院が終わる。
まだ一年もあるとは言えない。
なぜなら、就職するのならもう職場を決め就活をしなければならない。
自分自身、優柔不断だということも理解している。
昔のことだ、別に周りから見ると顔は悪くないらしい、簡単に言うと告白された。
だが僕は承諾することも断ることも出来ず一か月たち愛想をつかされてしまったのだ。
「はぁ、僕はこの先どうしていけばいいんだろう。誰かが決めてくれればいいのに。」
『プォォォォォォォォォォォォ』
僕は、音に気づき顔を上げる。
トラックが目の前にある。
どういう状況か理解できなかった。
信号機が青になっておりトラックが走って来ていたのだった。
僕は、宙に浮きながら死んだことを理解した。
「そうか、死ねば未来何て考えなくてもいいんだ。親も決めてくれなくなったから神様が決めてくれたのかな。」
錬は、微笑みながら地面に叩きつけられる。
しかし、錬は立ち上がれた。
トラックはさほど速度も出しておらず1メートルくらいしかとんでいなかった。
運転手のおじさんが話しかけてくるが軽く流しながら歩き出す。
気づけばもう家についていた。
「ただいま。」
両親は働いており家にいない。
歳をかなりくっているのに大変だなと他人事のように思う。
今日は僕が晩御飯の当番なのでスーパーへと行く準備を整える。
買い物を終え家路につく。
いつものように楽しそうに歩く高校生をすれ違う。
いつも、何かを言っているが陰口を言われているように感じてしまう。
「はぁ、ボッチだからかな。友達もあまりいないし可哀想に見えるのかな。」
信号待ちをしていると突然後ろから押される。
「えっ」
押してきたのは、優柔不断だった僕が唯一すぐに答えを出した女性だった。
やつれている事だけ分かったがどうしてだろう。
そういえば僕が振ってからあまり学校来てなかったな。
僕は、体に強烈な痛みを感じながら意識を失う。