入社試験。
美容室をひとりで20数年コツコツとやっております。
時間を越えて写真を切り抜くように日々のエッセイを綴ります。
あれは、オレが21の頃のこと。
オレは仙台で「とある会社」の入社試験を受けていた。
会場は、50名も入ればいっぱいの古びた会議室で行われた。
人数はというと、中途入社試験ということで20名いたかどうかという感じだ。
昼から始まった試験だが、
「出来てよしと思ったら退席して終わり」というシンプルなものだった。
試験が始まると、
時間が経つにつれひとり、
そしてまたひとりと部屋から居なくなっていった。
オレはとういうと、
正直、わかんねぇーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!と叫びたい気持ちでいっぱいの感じ。
それでも、試験官が「もう終わり!」というまであきらめてたまるかと思っていた。
ふと、腕時計をみるともう午後5時を回ろうとしていた。
日が長い季節だったので、窓からはきれいで真っ赤な黄昏の光が足を長く伸ばし始めている。
気づくと、部屋にはオレと試験官の二人だけ。。。
そんなオレが腰掛けている横を、試験官は急かすように行ったり来たりし始める。
あきらかに「早く終わってくれよ」と言わんばかりだ。
オレはというと、如何せん全然わかんなくて答案用紙は白紙同然。。。
でも、オレは絶対来たからには合格したいという気持ちでいっぱいだったから、
ここであきらめて帰るわけにはいかない!ともう試験官と根競べ状態になっていた。
やがて、
部屋一面に夕日の赤が眩しく反射し始めたころには、
試験官の行ったり来たりの速度が速くなって
その靴音も威圧するように荒く大きな音に変わっていった。
そんなときだ、、、。
「・・・・・・・・・・・。」
オレ 「ん????????」
「・・・・・・・・・・・。」
それは、
なにか囁くような声。
もう一度耳を澄ましてみると、、、。
ほんとに小さな声で、、、
「2番目はAだよ。」
オレ 「ハイ?」
驚くなかれ、試験官が答えをオレに教えてるではないか!!!!!!!!
試験官がオレの横を通るたび声が聞こえる。
ようやく、オレの頭は理解した。
試験官 「そこは○○○ってような気がする。。。」
試験官 「5番は415って感じ。。。」
試験官 「最後は1でしょ。。。」
試験官 「それ、アメリカなんじゃないかな。。。」
・
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・
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それからというもの、
試験官が行ったり来たりするたびに答えが降って来る。
そんなこんなしてたら、
オレの答案用紙の答え欄はきれいに埋まっていた。
気づくと天井の蛍光灯の白い光が眩しく見え、
外は夜でネオンがチカチカしていた。
オレは、
「ありがとうございました!」
と言って試験官に頭を深々と下げその部屋を出た。
数日後、、、。
その会社から合格通知が届いた。




