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神さまの下請け 零点五  作者: 城異 羽大
さまざまな神さま
10/23

メンヘラな神さま


宗教法人 光色コウジキ教の会館にやってきた俺とナギ。


ここの神さまはトカと言うあだ名らしい。

ちなみにナギとだいぶ仲が悪い。怖い。


そんで俺はこの神さまに気に入られた。気に入られてしまった。


ナギの予想通り。でも喧嘩して巻き込まれるなんて聞いてない。


俺の所有権は俺にないし、俺のことなんかお構いなしで会話が成り立ってるのが辛すぎる。


しかも一触即発しそう。もしそうなったら巻き込まれて俺は死ぬ。今にも威圧感に押しつぶされそうなんだけど。


頼むから《《俺の命ために争わないで》》。


せめて選べるならアキさんがいい!!


「アキ? サカキのとこの坊やねぇ。あの子もいいわねぇ。」


「手を出そうもんならくびり殺す」


「独占しすぎじゃないかしら?」


逃げたい、、

俺は穏やかに暮らしたいだけなんだよ、、

そもそもどっちも嫌だ、、


「酷いこと言うのねぇ〜私なら貴方の《《それ》》も祓ってあげられるのよ」


詩生ウタキ!こいつを頼ろうなんて思うな?」


「なんでかしら?私はすでにたくさんの子を救ってあげてるのに」


「アンタのそれは救いじゃない!エゴだ!」


「私の子たちはみんな喜んでるわよ?」


「人間はもう自分の力で生きてくべきだ!」


「相変わらず頑固ねぇ」


「またやり過ぎたら今度こそ堕とすから」


「ハイハイ」


剣呑な空気が流れる。威圧感をハンパない。

ナギが明らかに敵意を剥き出しにしている。

なにかがあったんだろうとは思う。

じゃないとナギはここまで声を荒げないだろう。

それにたぶん、トキって神さまはたぶん危ない。

四畳半の神さまとは明らかに方向性が違う。

ナギはきっと今の人の生き方を尊重しているんだろうな。

少しだけ、ナギの評価を改める。


瞬間、冷たい視線を感じた。


「さっそく警戒されちゃったわねぇ?ソラナギのせいだわ」


「今から喧嘩してもいいよ?今でもあんたくらい殴れるからね!」


ナギが眉間に皺を寄せて目は笑っていない笑顔を作る。


空気がさらにヒリついてきた。

全身が痺れてるみたいだ。やばい、、


少しの間、沈黙が続く。


何か起こるんじゃないかとずっとビクビクしていた


が、結局何も起こらなかった。


「今日はここまでにしましょ」


「ちっ!しょうがねぇな」


少しの沈黙がおそろしく長く感じた。たぶん寿命が縮んだ。


威圧感は収まり、やっと呼吸を正常に行えた。

全身の痺れもようやく治まった。


そういえば、ナギがくれた眼鏡のおかげで感覚が鈍るみたいなこと言ってなかったっか?

これ気休めか?


「チバー!それは私のお手製だからな?」


「すいません」


ナギの口調が強い気がする。

まだ気が立ってるな、、

俺にまで怒りを向けないで欲しい。


「それで《《あの豚を堕とせる》》かしら」


「任せてちょうだい」


ナギが悪い笑みを浮かべた。

今度はちゃんと笑ってる。でも嫌な笑顔だ。


豚とはあの剛力ゴウリキという男だろうな。


それに《《堕とす》》って、何する気だ。


「その名前、口にしないでちょうだい?」


威圧感が最大限に膨れ上がった。

さっきまでは加減していたのか。

息をするのも苦しい。そして熱い。


ってか口には出してないんだけど?


ナギがこちらを見て呆れた顔をしている。

来る前に言われていたことを思い出す。

思考がダダ漏れだとか余計なこと考えるなとか。


ああ、俺が悪かったよ、、、


ん?


って悪いのか、俺?

名前出しただけなんだけど??


少し威圧感が収まる。


「ナギ?説明しなかったのかしら?」


「チバー!言わなかったっけ?」


一言一句聞いた覚えがない。


「ソラナギ貴方、覚えてなさい、、」


ナギのこの性格は根っかららしいのを改めて実感した。そして、これからも振り回されるのか、、


「今からでも私のとこ来ていいわよ?」


「あっ、、それは、、」


正直、もうこの神さまはこわい。


「つれないねぇ」


「ははは、、そういえば最近困り事があるとか」


「そうよ!あの男!!」


威圧感がまた増した。今度は怒気を孕んでいる。


「先代はまだよかったのに、、あの男になってからというもの、ああぁぁ!!イライラするわ!」


神さまの語気が強くなるにつれ気温がどんどん上がっていく。熱い。怖い。助けて。


ナギを見るも一向に目を合わせてくれない。


そのまま、神さまはヒートアップした。


「ここは私のモノなの!信者も私のモノ!私だけを崇めてほしい!!私だけの愛し子なの!!」


あ、《《この神さまメンヘラだ》》。


「それをあの豚畜生!!私の声も聞こえない癖に、自分が神のように振る舞って!あげく愛し子たちを手篭めにしようとしているの!!許せない!!!」


ひとしきり言い終わったようで、熱も治ってきた。ナギは慣れてるようで聞き流している。

そういえばさっきのも聞こえてなかったようだ。良かった。


まだ少し熱い。興奮は治ってないみたいだ。


すると、ナギがこちらを向いて申し訳なさそうに笑顔を向けた。


「チバ、ごめんね?」


なんとなくわかる。まだ何もしていない。だからこの謝罪は、さっきまでのこと《《だけじゃない》》。

過労になる未来が確定した気がする。


もうやだ。帰りたい。


「トカー。ちょうどいい方法があるんだ〜」


「なにかしら?」


「《《あいつに地獄を見せようと思ってね》》。」


地獄、、、?


「ふふ。いいわねぇ。」


どうやら本気らしい。でもどうやって、、あ


「チバー《《お前が描くんだからな》》?」


「ですよね」


「その子なら期待できるわ」


まだなにもしてないのに、疲れている。

でもこれから、絵を描かなければいけない。

しかも地獄絵図。

想像するだけで既にしんどい。

助けて神さま、、、は期待できないのか。

全て幻想だったんだな、、、


「ほんと失礼な子ねぇ」


「そういうところも含めて気に入ってるの」


ナギが微笑みかけてきたが、俺は睨み返した。

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