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神さまの下請け  作者: 城異 羽大
プロローグ
1/9

夢か現か

これは夢でいいんよね?

一人暮らしの俺はいつも2階のベッドで眠っている。そしてなぜか足音が聞こえてくる。階段を登る足音が。殺意を強く感じるけれど動けないし、声も出ない。何度か撃退できたけど、たぶん次は

夢か現か もうわからない


眠気まなこにあいつは現る

ここ最近に何度も何度も、、、


おかしなことは何度もあったんだ。

女の声が聞こえる

動物のようなものが足元に触れた

毛玉の塊が見えた


単発で済むこれらの出来事は、

話題になるからいいや で済ませてた


でも何度も同じのが起こるとなると、

わかるだろ?




最初は声だけだった

怪しい甘さを纏って

伝える よりは 誘惑


次は触られた

気がする

失われたそれを欲するように

足をそろりと撫でられた


だいぶ経ったころから始まった

昼夜逆転のだらけた生活していたころで

起きた時は曇天のせいか仄暗かった

昼と夕の狭間くらいの時間だったと思う

まだ現実と夢の間を往復しているような

「ああ、今日は曇りだな。寝るか」

とか思ってた。

そして二度寝に沈もうとしていた時だった


階段を登る足音が聞こえた

明らかな敵意を察した

俺以外に誰もいないアパート

鍵はよく閉め忘れてる

最悪の可能性が想起した

とりあえず、待ってみよう

少しずつ恐怖がくる

二階のベッドまでくるのは早かった

人目みよう としたけれどできなかった

初めて実感した金縛と開かぬ瞼

恐怖が次第に膨らんで気配が枕元に来た

なぜかわからないけれど殺されると思った

だからこそ生存本能が身体を動かしたのか

襲いかかったのは自分の方だった

昔剣道をやっていたせいなのか

それとも生きるのに必死だったのか

思いっきり掴みかかって本棚に押し倒した

ようやっと目が開け、気配は別物になっていた

ありていに言えば夢の出来事になり果てた

見たことない女性になって夢の劇場が始まった

そういえば、ぶつけた先の棚は音もなかった

明らかに感じた足音、気配、殺気

どうしても夢とは思えなかった

それから同様の出来事が間隔を空け何度も

だいたいは、あと少し

あいつの息の根を止めようとした瞬間で終わる


話のネタとして放っておこう

そう思って深く考えてなかった

月をいくつか跨いで忘れた頃、

母と姉が今の家にいる夢を見た


料理の音がキッチンのある下から響く

郷愁を漂わせ安らぎを覚えた

けれども ここにいるはずがない

違和感が現実を悟らせた

それでも心地良さに身を任せることにした

姉が階段を登ってきた

起こしてくれるのか、こういう朝はいいな

って思った矢先に過去のあれを想起した


姉が身体をよそう ではなく首を絞めにきた

最悪の予感は的中してした

仰向けになった私の上にそれは跨った

そこで初めて目を見開いて確認したそれは

姉の原型もなく歪んだ人間もどき

恐怖と驚きが全身に感じたけれど声は出ない

でも上半身は動いてくれた

押し切って、手の形をしたそれを掴んだ

思ったよりも力が弱く、思いっきり折った

たぶん、そのあたりで現実になっていた


まだ白んでいないけれど冬だからまだ夜だ

後味が悪い

幸せの皮を被って襲われた

あいつは確実に俺を殺しにきている

部屋が異様なほど静かに感じた

まだいる気がする

寝たら出る

嫌な汗が冷えた身体に滴る

とりあえず赤い数珠を腕に嵌めた

辰砂を紡いで作った数珠

破魔の効果が宿っているらしい

神さまなんて正月の祈願程度しか信じていない

けれども縋らずにはいられなかった

そして足りない睡眠を満たすことはできた


この時はこれで終わりだった

これで終われたら良かった

きっと酒を飲み過ぎたからだ

なんてことにしたかった


その翌日 何度も目が覚めた

そのせいか夢と現実がより曖昧になっていた

朝が漂ってきたような時間

また階段を登る足音が 殺意が きた

2階に着いて私のベッドまでの距離

音は聞こえなかったけれど

殺意が近付いてくる 大きく 強く

いつものように臨戦体制に入っていた

条件反射みたいな感じ

やらなければやられる 確信していた

あいつが襲いかかったとき そのまま

取っ組み合いになった それは黒かった

黒一色の霞が人型のような姿

あいにくと実態はあったからベッドに投げて

首を絞めた 強く 強く握りしめた

もうやめてくれ 消えてくれ と願って

でもそれは笑った

なにも効いていない

これぐらいどうってことないって顔をしてた

それで気づいた

もうなにしてもダメだと 手に負えない

絶望感に呑まれたとき

気づけば知ってる現実に戻ってた

遅れて恐怖はやってきて身体が震える

全身に冷や汗をかいている

もう狙われているんだ

私にはもうわからない

聞いたことがある

こういうことは事故にでもあったもんだと

じゃあ どうすればいい?


私はもともとホラーや怪談が好きで一通りみた

人並みに恐怖も感じる

でもいつも未知への好奇心が勝ってた

小さな体験することも少なからずはあったけど

酒の肴程度だから気にならなかった

ここまで命の危険を感じたのは初めてだった

夢だろうって思いたいけれど、現実感は

あの殺気は今も覚えてる

夢か現か もうわからない

どうしよう って不安が私を染めていく

あぁ、でもひとつだけわかることはあるよ

次に出てきたら、たぶん

俺はもうダメかもしれない

実体験です。次話以降から創作となります。

笑いあり恐怖ありの長編ファンタジーにするつもりです。5話までは、ギャグ要素が強いかもしれないです。

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