第5話オマケ
こんにちは。久々ですがオマケを。
輝かんばかりの美しさを持ち、剣に関しては神子でなければ騎士団長にもなれたであろう彼女。そんな彼女から愛しげに見つめられたアルフレドはより惹かれていた。愛する息子がエドナと二人で談笑している様を見るだけで、彼女の笑顔の先が自分ではないことに、不覚にも怒りさえ感じるようになっていた。結婚式で彼女に再会した神官が手を握った姿も、触れられるのが自分だけであればと願ってしまう程だった。だからこそ彼は彼女の下へと赴いたのである。娘として、と言った口で彼女にキスをしようとした。気遣う為に用意した手で、肌に触れようとした。それは叶わなかった。彼女のマッサージですっかり眠ってしまったのだから。
夜中にふと目覚めたアルフレドは、無防備にも隣で眠っている彼女の手が、自身の手に触れていることに気づいた。包み込むように重なる彼女の手を指先で撫でる。くすぐったいのか、ふっと口角を上げる彼女。空いている手で彼女の髪を、頬を、そして唇をなぞる。
「…私がこんな感情を持っていると知ったら。貴方は私を軽蔑するのでしょうか。」
唇を指で押してみる。自身のものとは違い、柔らかく滑らかで、少し湿っている。娘だと思ったことは一度もない。常に彼女をただの人間としてではなく、一人の女性として意識していた。こんなにも歳の離れた人を、彼は確かに愛している。