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詩*夜空へ*

夜をけずる

作者: a i o





夜を

鋭く 尖らせるために


(にぶ)く広がる闇を

鉛筆削りの穴に 吸い込んで


重たいハンドルを

回せば

がらがらと がらがらと

通りの悪い

つかえた音を立てながら


薄く 極めて薄く

その身を剥いて

朝に

あまねく払われる前に


ぼんやりと輝く

星も また

ねじれた刃に

削られ


はらはらと舞い散る

星屑の一片は

光を纏い


ハンドルの重みが抜け

しゅるしゅると しゅるしゅると

鉛筆削りが

軽快に歌い出す頃


夜の裸体は

もはや淡く

夜明けの

熱い蒼は透けて


ひたすらに

色を溶かしていく

陽の(ひだ)

現れ始めた空の(ふち)


追いやられて 尚

研ぎ澄まされていく

突き詰められていく


削がれた果ての

凍える月は













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― 新着の感想 ―
[一言] 夜の帳に際立つ白が 明けて熱を帯びる度に 淡く薄れてゆく そんな情景が浮かび どこか妖艶さを感じました。
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