7話
◆◆◆◆◆7話
数日間続いた吹雪が収まる頃、家はスッポリと白で覆われ、ミシミシと薄暗い家中に冬の魔物の声が響き渡る。
早起きの得意な御爺さんが魔物の声に耳を澄まして聞き入ってアチコチを忙しく歩き回っていた。
そしてフッと見た囲炉裏を通り過ぎて土間側の障子で出来た引き戸を開けようとしたものの、軋んで一向に開かない引き戸を諦めて、またまた囲炉裏の方へやってきた御爺さん。
囲炉裏の直ぐ横にある、屋根から外へと通じる木で出来た階段を、天井から滑車を使ってスルスルッと降ろして見た。
天井の梁に手を掛けながら上ったものの、屋根に積もった雪の重みで屋根の出口が開かない。
それを見ていた二番目に早起きの雪ん子が「じーじー」と、下から声を掛けた。
御爺さんは雪ん子を上から見つめると下に降りて来て「坊ーさ頼むがなぁ!」と、7つの雪ん子の頭に手を置いた。
御爺さんは雪ん子の小さな手を優しく握ると雪ん子と一緒に土間へ降りて、雪ん子に身支度を整えた。
玄関は当然のこと降り積もった白で開くことはなかったが、御爺さんは雪ん子の腰にクルクルッと麻で出来た縄を結び付けるた。
玄関の扉の横にある縦横40センチくらいの小さな扉の前に二人並ぶと、御爺さんが雪ん子に「坊ー、ええが?」と微笑んで聞くと雪ん子が「うんっ!」と、声を張り上げた。
真横の小さな扉を手前側に引っ張ると「ドサッ」と、雪崩れ込んで来た白を掻き分けると外側に薄緑色の光が差し込んでいた。
腰縄を付けられた雪ん子が、小さな扉の前で屈むとゆっくりと四つん這いのまま落ちてくる白も何のそのとばかりに突進した。
土間で雪ん子に付けた腰縄を少しすづ緩める心配顔の御爺さんが「坊ーっ!」と、声を掛けると雪ん子がカチャカチャと音を立てて「ええよぉー!」と声をだした。
雪ん子につけた腰縄を少しずつ手繰り寄せると扉から「ばあぁー!」と、満面の笑顔を見せた雪ん子に御爺さんが御爺さんがニッコリ微笑んだ。
扉を閉めて中に入って来た白を竈かまどの横の水捨て場に置くと、二人は囲炉裏に薪たきぎを入れて温まった。
家族が起きて来ると、雪ん子の手柄を我が手柄のように嬉しそうに微笑む、御爺さんの白いヒゲが揺れていた。
数時間後、里の有志達が来て家の玄関を開けてくれた。
雪ん子は外にあるマストのロープを引いて里の有志達に助けの旗を揚げたと言う話し。




