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  作者: 縄奥
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28話

◆◆◆◆◆28話






 何処までも続く白の上に立って額に手を当て日傘を作り、風の吹く方向に耳を澄ませば微かに聞こえる誰かの唄い声「ヨイサノォ~マカッショォ~♪ エンヤコラマカセェ~♪」と、遥か遠くからの声の旅人に心和む一時ひととき。




 途切れ途切れに聞こえる歌声に交じって、太鼓の音ねが勢い良く風の上を跳ねては消え、そして歌声がまた「コキリコのぉ~お山ぉ~担ごうとすればぁ~♪ 荷縄が切れて担がれん~♪」と、今度は別の旅人が風に乗ってやってきた。




 何処かで誰かが唄を歌っているのかと目を細め、手で日傘を作っては遠くを見るものの見える物は白と灰色の山と青い空ばかりだった。




 広大な海原のように緩やかな下りと上りを波のように繰返し、白に覆われた畑の中にポツンポツンと立っている、案山子も唄に耳を澄ますように立ち尽くしていた。




 白く大きな雲がゆっくりと右から左へと流れると「ヨイサノォ~マカッショォ~♪ エンヤコラマカセェ~♪ コキリコのぉ~お山ぉ~担ごうとすればぁ~♪ 荷縄が切れて担がれん~♪」何処からともなく、風が耳に伝えた何処かの里人の歌声は、止むことは無かった。




 山に住む天狗様が団扇うちわを仰げば、見知らぬ里人の歌声を風の便りで知らせることがあると言う。


 


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