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  作者: 縄奥
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27話

◆◆◆◆◆27話




 家の裏側を暫く歩くと、緩やかな傾斜地に葉を落とした木々が立ちこめ、その根元は丸く白を溶かし黒から様々な緑色が芽吹いている。




 立ち並ぶ木々からポツンとポツンとアチコチに見える笹薮は、緑色の葉の縁ふちが山吹色に円を描きその根元に黒がはっきりと見える。




 溶け掛かっている白と黒の厚さをみながら足の踏み場を確認するように一歩、また一歩と足を傾斜地に運べば、何処からか「カサカサッ」と、小さな音がしては静まり、そして一歩あるくと今度もまた「カサカサッ」と、音がした。




 白の衣を纏っていたであろう木々の肌は水影みずのあとが残り、お日様の光に僅かな水がピカピカと輝きを見せている。




 二本足でピョンピョン飛び跳ねたであろう野ウサギの足跡だろうか、未だ残る白の上に縦横斜めに辺りに生き物の証を見せている。




 暫く昇ると30坪ほどに開けた場所があって、真ん中の笹薮から行き来をしたであろう野ウサギの足跡が無数に見えた。




 屈んで足跡を見ると何度も行き来したのだろうか、しっかりと野ウサギの道は踏み固められていて人と変らぬ冬の暮らしを見せ付けていた。




 何かの視線を感じてフッと進む向こう側に目をやると、立派な角を生やした4本足の山人(鹿)が数頭、丘の上からこちらをジーッと見入っている。




 春が待ち遠しい気持ちは人も動物も皆同じと言うことだろうか… 山人(鹿)の春を待つ楽しげな話し声が聞こえるようだった。



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