2話
◆◆◆◆◆2話
山々がスッポリと白に覆われると里へ来る唯一の道も白で塞がり、往来の妨げになる。
ただでさえ細い里への道は乗用車が一台やっと通れるほどの狭さで要所要所に待機場所がある。
道幅が解らぬほどで除雪車も滅多に入ることもなく、時折通る住人達の車と馬だけが
白い道を踏み固める厳しい冬の里。
電信柱に積もった白ゆきは、雪ん子たちの帽子のようにホッコラとしながら時間と共に丸みを帯びる。
白の衣を纏った電柱に綿帽子がこけでもかと聳えるころ、山の里は閉ざされ生きる物を阻む。
隣町への道のりは9キロ、道幅の解らない白の上を凍りついた茶色の四本足がザクザクと雪煙を上げ、
時折、大きな真っ白な湯気を上げる。
大地の匂いを白の上から感じ取り、休めることもなくザクッザクッと力強い四本足が突き進む。
文明を寄せ付けない大地は自然に生きる者たちにだけは少ない門戸を開いている。
四本足に続けとばかりに平べったい二本の足が、その上を滑るように流れ山から迫り出した木々から
バサッ、バサッと枝に降り積もった白が音を立てて舞うように道の白に重なり合う。
山の斜面から落ちたのだろう大きな白の塊を目の前に 「大丈夫かぁ」 と、主の一声。
無言のまま、ザクッ、ザクッと音を立て大きな湯気が天に昇っては消えていく。
一山、超えてまた一山超えると、馬はようやく隣町へとソリを運んだ……




