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白金の聖女  作者: 座頭海月
始まりの聖女
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第3話 第一異世界人発見




「はぁ⋯はぁ⋯疲れました⋯⋯」


 キッツ⋯と言ったはずなのだが、身体は丁寧な口調でそう声を漏らす。


 狼から逃げること数十分。全力で走っていたことと慣れない森の中ということもあってか、想像以上に疲れた。鎖に縛られていたからか、狼は追ってきてはいない。結構な距離離れたので解除と念じる。鎖との繋がりが消えたような気がした。これで多分だがあの狼は自由になったのだろう。

 

 そう思ったら少し怖いが、もう大丈夫だろうと歩き出す。森からはまだ出れそうにない。奥に向かっているのか、それともこの森が相当広いのか⋯そんなことを考えながら鬱蒼とした森を進んでいく。


 すると前から話し声と草木をかき分ける音が聞こえる。人か?と思いながらも盗賊の可能性があることを思い出し、グレイプニルを唱える準備だけしておく。


「⋯でさぁ?ほんとに厳しいよなぁ」

「またあんたがやらかしただけでしょ?いっつも言ってるじゃない。実力にあった敵じゃないとほんとに死ぬわよ?」

「そんなことわかってるよ。でもこの魔法剣もあるし絶対大丈夫だって!」

「調子のいいこと言って⋯前ゴブリンと戦ったときなんて私がいなかったらほんとに死んでたわよ。」

「あれはちょっと油断してただけで今なら余裕だって!あいつらが落としたこの剣もあるし!」

「はぁ⋯⋯」


 そんなことを話している二人組が私の少し離れたところを歩いている。少年少女の二人組で犯罪者という雰囲気ではなさそうである。少しビクビクしながらもあのぉ⋯と話しかける。すると二人はこちらの方を見る。


「すみません、ここがどこかわかりますか?」


 と尋ねる。すると二人はこちらの方を見ながら武器を構える。うぇっ?!


「あの!すみません!私、ここで迷ってしまって⋯⋯」


 少し慌ててそう付け足すと彼らは武器を少し下げてくれた。


「冒険者か?」

「いえ、実は旅をしているものなのですが⋯途中、森の中で迷ってしまい⋯」


 顔はローブで隠している。少しばかりの嘘ならバレないだろうと思い、旅をしていると嘘をつく。


「どこに行けば森から出られるのか教えてもらえませんか?」


 そう言う。二人は少し近づいて何かを話しているようだ。話し合いが終わるのを待っていると男の方がこちらに話しかけてくる。


「一応顔を見せてくれないか?」

「顔ですか?いいですよ」


 そう答えフードを取る。


「これで大丈夫ですか?」


 顔は俺が見た限り多分だが問題ない。別に顔バレしても問題ないだろう。


「おぉ⋯」

「嘘でしょ⋯?」


 俺の顔を見た二人は呆けた顔でこちらの方を見ている。なぜだろうか?


「あのぉ?」


 と聞くと、我に返ったかのように言葉を発する。


「あぁ、いやなんでもない」


 少し慌てたようにそう答える少年。少女の方はまだこちらの方を見つめて固まっている。


「それで、教えてもらえるのでしょうか?」


 そう言うと男は、


「あぁ、大丈夫だ!1人くらいなら護衛もできるし!」


 と言ってくれる。なんとも優しいことである。人との初遭遇はどうやら当たりだったようだ。


「本当ですか!?ありがとうございます!」


 と思わず笑みがこぼれる。すると突然二人は目をそらす。え?そんなに笑顔似合ってなかったのか…?


「それでは、これからよろしくお願いしますね?」


 先ほどとは違い少し控えめに二人に笑いかける。すると二人はこちらの方を見てなぜか数十分ほど固まってしまった。

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