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白金の聖女  作者: 座頭海月
始まりの聖女
10/10

第9話 観戦



「おらっっ!」

「ぐおっ!!?!」

「炎の矢よ!敵を穿け!」

「ガァッ!?!」


 男たちが剣や斧、魔法で戦っている現場を牢屋から眺める。


(うーん。蚊帳の外ですなぁ)


 突如始まった大乱闘だがいい感じに実力が拮抗していてなかなかの迫力のある戦いであった。


 はじめは人数的にも盗賊陣営が有利だと思ったのだが、怪しい仮面陣営は魔法を使うようで10名と少ない数で魔法を使いながら互角で渡り合っていた。


 洞窟といってもとても大きい洞窟のため、30人以上が入り乱れる大乱闘でもそこそこ戦う場所には余裕があり、仮面陣営は距離を取りながら着々と盗賊を処理していた。


 牢屋は端にあるためあまり魔法などには巻き込まれはしないが現場で倒れた者たちは味方に踏まれたりと散々であったため鎖でこっそりと回収してもう何個かある牢屋に敵味方関係なく拘束しながら収納している。


 こうやって眺めてはいるが別に人が死ぬところが見たいわけではないしなぁ。


 倒れた人たちを回収していて思ったのだがどうやらこの鎖信じられないほどの長さのようだ。はじめは引っ張って牢屋に詰めるだけでいいかと思ったのだが、拘束したままでも問題なく次の鎖を出すことができてしまった。


 今では10名以上を確保しているのだがまだまだ全然余裕がありそうだ。


「それにしても多いですね⋯?」


 どんどんと湧き出て来る盗賊たち。ここに来てからよく見張りの人が入れ替わるなとは思っていたがまさかこんなにも大勢いたとは驚きである。


 段々と飛び交う魔法の数が少なくなっていく。


 仮面側の人数は減ってはいないがどうやら魔法には魔力的な制限があるようだ。


 10人の仮面ははじめにナイフで不意打ちされた男以外は今の所生き残ってはいた。


 あと気になるのはボスさんの行方だろうか?いつの間にかリーダー格と思われた赤ローブの男はいつの間にかどこかに消えていた。


「あの?盗賊のリーダーのような方の姿が見えませんが⋯?」

「ヒィッッ!?!すみません!すみません!許してくださいぃぃいい!!!!」


 うーん、監視のお兄さんはとても怯えていてお話ができそうにない。多分さっきの赤ローブのセリフにビビっているようだ。


「本当にどうしましょうか?」


 正直ここで全員捕まえてもいいのだが彼らはどっちも悪人のようであったし、ルミアに手を出そうとしていたようでもあるしあまり助けたいとは思わない。


 あと人が血を流し倒れる現場は初めて見たが正直何も感じない。転生した事が原因だろうか?


 そんなこんなで戦場を眺めていると、入口側から赤ローブの男がこっそりと入ってくる。


 男の手には赤い宝玉のようなものがあった。


 なんかすごい怪しい動きであった。


「⋯あっ」


 男はその宝玉を遠くから中央の方に投げる。


 その宝玉は地面に当たるとパリンと簡単に砕ける。


「きゃっ!」


 その瞬間、地震でも起きたかと思うくらいには洞窟が揺れる。


「なんだ!?」

「うおぉぉっ?」


 その振動にどちらも驚き、戦闘が止まる。


『───ォォォォオオオオ』


 まるで暗い穴から聞こえるような深い咆哮。


 それとともに強くなる振動は、洞窟の入口側の爆発によって姿を表したのだった。


 その化物は洞窟の通路を破壊しながら広場に入ってくる。


 現れたのは10m以上もある真っ黒な蜥蜴に似た何か。


「黒竜⋯⋯⋯⋯?」


 誰かがそうつぶやく。


『グォォォォォオオオオオオオ!!!!!!』


 ビリビリとした空気が震えるほどの咆哮に鳥肌が止まらぬほどの恐怖心を抱くとともに少しだけ違和感のようなものを感じる。


 竜の声は、本能的な叫びとは違う、感情的な慟哭のようで、どこか泣いているような、そんな声に感じたのだった。









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