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柚科葉槻の怪談噺。  作者: 柚科葉槻
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大学の友達から聞いた話。2

 Nさんと頻繁に一緒にいたのは一年間くらいであった(それぞれの部活が忙しくなった)が、その間に私は2回ほど“幽霊”に遭遇したらしい。

 らしいというのは、自分が全くソレらを感じ取っていなかったからである。


 一つは私が一人暮らしをしていたアパートでのことだ。

 アパートは六階建てで、その最上階に私は部屋を借りていた。

 その部屋で遊んだ帰りのエレベーターで、一階と「閉」のボタンを押した私の腕をNさんが引っ張った。

 何事かと思い彼女を見たが、少し緊張したような表情で小さく首を振る。

 そのなんとも言えない雰囲気に飲まれ、私達は一階に着くまで無言でいた。

 一階でエレベーターの扉が開き、一拍置いてから彼女に腕を引かれエントランスホールへ出た。そして建物の外へ向かい、少し歩いたところで彼女はやっと息をついた。

「今、乗ってきてた」

 そう端的にNさんは言う。

 私達と一緒に幽霊がエレベーターに乗ってきたらしい。

 一階に降りれば幽霊は私達より先に外へ出た。そしてそのまま雑踏の中を歩いていったのだという。

 出ていく幽霊は、とりあえず悪いものではないらしい。

 私の部屋にいたわけではないらしいが、一体どこの部屋に用事があったのだろうか。

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