表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鷺沼美玲の例  作者: NoeL
3/3

経過

 

 久しぶりです。鷺沼美玲です。


 加護を授かってから早数ヶ月。


 順調にジョブやスキル、魔法のレベルを上げています。


 それらは主に使えば使うほど良いというのがこの世界の常識です。


 転生者ジョブと転生スキルは使い方が分からないので――試しに死んでみるわけにもいかない――全く変わりありませんが、他のジョブやスキルは中々成長しています。


 例えば知恵者ジョブと長期記憶スキル。

 ジョブのレベルが上がる条件はジョブによってそれぞれ違うらしく、戦闘職なら生物、主に魔物を倒す事で上がり、生産職なら物を作る事で上がり、知恵者ジョブは知恵を蓄える事で上がるっぽいです。確信はありませんが、勝手に10まで上がっていたので多分当たりでしょう。

 人は生きている限り学び続ける。つまり、生きてれば勝手に上がっていくわけですね。楽です。

 まぁ上げようと思って上げられないのは面倒かもしれませんが、気長にいきましょう。


 でもって長期記憶スキルはパッシブスキルと呼ばれる常時発動型のスキルでこっちも生きてれば勝手に上がっていく感じです。全くもって楽です。ちなみに今レベル3です。


 さて、知恵者ジョブのレベルが10になった事で新しくスキルを得ました。観察スキル。

 単純ですが、これが割と便利でですね。

 既知の物体の名前が分かるというものです。


 人を見れば名前や、知っていればレベルやジョブなども分かります。まぁメモみたいなものですね。これで人の名前は完璧です、絶対忘れません。まぁ長期記憶スキルのおかげでそこまで困ってないんですがね。


 話がそれましたが、植物の判別や品質なども分かる優れものです。


 このまま知恵者ジョブを育てて行けば、いつか夢の鑑定スキルを得られるのではないでしょうか。鑑定スキルは便利で有名ですからね。国でも重宝されるそうです。


 次に魔導者ジョブと魔力操作スキルですが、ジョブレベルは全く上がってません。これは戦闘職だからですね。まだまともな生物を殺めた事はないので、当然ですね。


 しかし、魔力操作スキルは3つ上がってレベル4になってます。中々ですね。私には魔法の才能があるのかも知れません。


 このスキルのおかげで魔法を扱うのがだいぶ楽になりました。

 今の私は、第5位階闇属性魔法、第6位階無属性魔法までを扱えます。


 元々闇属性魔法は第7位階、無属性魔法を第8位階まで使えたのですが、魔力操作スキル様様ですね。このまま行けば第1位階魔法を扱うのも案外簡単かもしれませんね。


 さて、第5位階までの闇属性魔法で扱える魔法は当たり前ですが、6つあります。


 まず第10位階闇属性魔法、闇属性魔力変換。体内で練った純粋な魔力を闇属性に変化させる魔法です。ただそれだけの魔法です。これだけじゃ何の意味もねぇです。


 第9位階闇属性魔法、闇属性魔力操作。それ魔法なの?って感じですが、これはまぁ総称のようなもので闇属性の魔力をそのまま利用する感じで、例えば玉状にして打ち出したり、矢の形にして打ち出したりして使うわけです。


 第8位階闇属性魔法、闇属性魔力付与。これは属性付与と呼ばれる魔法で、物に魔力を纏わせることで属性特有の効果を与えたりします。闇属性の魔力特性は簡単に言えばデバフですね。闇属性の魔力を付与されたものは脆くなり、壊れやすくなります。使えねぇです。


 ここまでは魔法を嗜む者ならどの属性でも適性があれば使えて当然の領域。ここから先が得意属性と言える領域になります。


 第7位階闇属性魔法、魔力吸収。他から魔力を吸い上げる魔法。物でも生物でもそれが魔力を持っていれば、触れる必要はありますが、奪う事ができる魔法。なかなか便利です。使うのにも魔力を使うのでそこまで返還率は高くありませんが、魔力の回復手段があるのは良いことです。


 第6位階闇属性魔法、常時魔力吸収、所謂魔力自動回復ですね。これは体表に触れている空気中の魔力を常時吸収できるようにする魔法、というより技術です。魔力吸収の応用ですね。無意識下で魔法を扱えるようになったという証のようなものらしいです。ただレベルの低いうちは回復なんて微々量たるものです。


 そして、私が今扱える最高位の闇属性魔法。


 第5位階闇属性魔法、闇属性魔力遠隔操作。これはですね、とっても便利です。これだけで、階下の魔法全てが強化されます。


 魔力変化は体内でしか出来ないのが体外の魔力も変質させられるようになります。これだけだと特に使い道はありませんが。


 魔力操作で作った球は実は打ち出した直後から魔力が霧散してしまうのですが、この魔法のおかげで威力減衰が抑えられます。これが実は中々大きい。


 魔力付与を行った物も段々と魔力が霧散してしまうのが、この魔法があれば、遠隔操作の距離範囲内でですが、魔力が霧散せず、効果が持続します。


 魔力吸収も触れずに吸収できるようになるわけです。まぁ触れる方が変換効率は良いですがね。


 1番効果が大きいのは自動魔力回復。操作範囲内の空間にある魔力を吸収できるので爆発的に回復力が上がります。

 ただ、この場合範囲内の動物や人間からも無差別に吸収してしまうため、微妙な気がしなくもありません。ただ、一人一人から奪う量は微々たるものなので、特に害があるわけでもありません。なので、誰かとずっと一緒にいない限りは問題ないわけで、私は基本1人が好きなので大丈夫というわけです。


 さて、次に無属性魔法についてですが、無属性魔法は全ての魔法の基礎とされています。


 第10位階無属性魔法、魔力知覚。魔力とは何なのか知る事から魔法の習得は始まります。魔力は目に見えず、音も聞こえない。教えられなければ知るよしなどないのです。魔力知覚とは魔力を感じる事ではなく、体のうちに、そして空気中、大地、木々、数多の生物に宿っているものであると知り覚える事から始まるのです。正直これは魔法じゃありません。魔法知識です。無属性魔法はそもそも魔法ではなく、魔法の下地であるというのが、この世界での認識のようです。つまり、基礎魔法技能すなわち無属性魔法なのです。


 第9位階無属性魔法、無属性魔力錬成。魔力が身体に宿っているのだと分かったら次は単純に体内で魔力を練る魔法ですね。これを属性変換させて扱うのが普通です。つまり魔法を嗜む者が一番初めに修める魔法技術です。


 第8位階無属性魔法、無属性魔力付与。こちらの付与効果は純粋なる強化ですね。付与した物や人の強度を上げます。


 第7位階無属性魔法、身体強化。無属性魔力付与の応用ですね。自分自身に魔力を付与し、体を強化する。これには体全体に一定の魔力で付与を持続する必要があります。一定でないと、体の感覚が変動し続けてしまい、走るのも困難になります。それに体を強化する事は出来ても脳の処理能力まで上げる事は出来ないので、あまり強化しすぎても突進くらいしかできません。割と難易度の高い魔法です。


 そして今の私の最高位無属性魔法である、第6位階無属性魔法、魔力感知。これは物に宿る魔力を感じる事が出来る魔法で、その物に宿る魔力量や属性などが分かります。何に使えるのかって?これがあれば、例えばその人が魔法をどれほど扱えるのかが分かります。魔法を使えば使うほど、人によって限界はありますが、ある程度人の魔力量は増えます。なので、その人の身体に宿る魔力量で大体の魔法の力量が分かるわけです。所謂気配で強さが分かるわけです。


 これはこの世界を生き抜くなら必須だと思い頑張って会得しました。世界には凶悪な魔物や凶悪な人間もいるはずですからね、勝てないと分かる程の強者なら逃げる選択をしなければなりません。


 まだまだ修行は続く。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ