フラグは回収される世の中である。
フラグ。それは旗の事を英語でFLAGと書くところから来ていると言われている言葉で、次に起こるやもしれない事象について事前に発言してしまうと何がしか起きてしまうことを言う。
例えばだが、
「この戦争が終わったら、俺……結婚するんだ」
という一文がよく例としてあるが、この言葉の後は多くの場合……否。千分の九百九十九ぐらいの確率で発言者は死亡する"フラグ"が立ったのだ。
これが所謂死亡フラグというやつである。実にテンプレートな展開であり、多くの場合それは実際に死に至る。
他にもこんな現象が積み重ねてあるのです。このフラグというやつには。
「漫画じゃあるまいし、道端でバナナの皮に滑って転ぶなんてことあるはずない」
「アニメじゃないんだから、魔法とか怪獣とかいるわけないじゃないか」
前者は発言後バナナの皮で転び、後者は魔法使いなどに出会う。勿論フィクションの世界であるが。
転ぶという可能性を示唆し、非現実的な存在を求めた結果、起こりえない事象が起こるきっかけが"フラグ"であり、またそれに近しいものもまた何かの"フラグ"となりて存在している。
管理者など無く、それをたてる方法も実は無く。
いるとすれば、それは神様だろう。人間や物語のキャラクター達にたてられるフラグもまた神の気まぐれによりたてられるものである。
故に只の気まぐれに付き合わされる者達にはそれを曲げる猶予は与えられるわけであるが、大抵の場合は曲げられず失敗する。
ああ。あと1つ付け足して言っておきますけれど、この短編は小説性のかけらも何もないですよ?
「いつか、この話がどれかの小説に関わってくることなんてない」
という文面も残しておけば、何かフラグが、立つやもしれないので、立てて逃げておこうと思う。