恋愛マニュアル
「なんだろう。初めて見たお店だな。ちょっと覗いてみるか。」
そう思い僕は本屋さんらしき店に入った。
「中は結構しっかりしてるんだな。」
そんな失礼なことを思いながら、隅から隅まで本を見ていた。
「何この本。恋愛マニュアル?笑笑ほんとになにこれ笑笑」
僕は興味本位でその本を買ってみた。(ほんとにこの本に書いてあるとおりに行動したら叶わない恋はないのかな……。)そう思いながらいつも通り自転車のペダルをこいだ。
憧れのとても可愛い先輩や、人気のある同級生などを思いながら、家路つく。カバンの中に入っている本がとても揺れていた。
あの日、あの本を買った日から沢山の恋を重ねてきた。しかもマニュアルに従って思い通りにね。この本に書いてあるとおりに行動すれば叶わない恋はないと信じていた。だけど、いつも心が満たされない。だから手に入れるたびに次の恋を求めてしまう。
「あーあ。こいつも飽きたな……。お!あの子ちょーかわいいじゃん。次はあの子にしてみよう!」
それを何回も繰り返していた。あの人に会うまでは。
そしてあの日、君に出会った日から、本当の恋をやっと見つけられた気がした。
「よし!マニュアルに従って思い通りにね。失敗しないように、かっこいい姿を見せるんだ。」
そして今日あの人に告白をしようと思う。
「あの日君にあった日から、ずっと好きでした。」
完璧だ。断ることはないだろう。何もかもが上手くいったからな!
君からの答えは
「ごめんね。他に好きな人が……。」
は?断られた?なんで?ん?君の手に持っているのは……?僕も持っている……!?