第六話 とある俺、宿屋効果で回復する!?
アパートの自宅に帰った俺は、■ふわふわパンを1個食べて、水を飲んだ。
お腹が満足すると、外が気になる。
窓を開けると、商店街の賑やかな話し声がこちらまで響いてきた。
「お店を見て回ろうかなぁ。ともかく、■ふわふわパン2個は残しておこう」
俺はパンの入った紙袋を床に置いた。
手に付いた粉を払うと、立ち上がった。
「収入があったことだし、店が建ち並んでいるのを見て回ろうかなぁ」
窓から外を眺めながら、のほほんとする。
その時、風がびゅうと吹き込んできた。
肌寒さを感じて、窓を閉めた。
「日が陰ってきたら、寒くなってきたような。よし! 布団を買おう!」
俺は早速、商店街に繰り出した。
そこら中のお店を見て回る。
「装備品か……」
装備品のお店があった。
ダンジョンに行くための装備品が気になるが、それは後回しだ。
今晩、暖かく眠る布団を確保しなくてはいけない。
「布団布団……あった、ここだ!」
ショウウインドウには、広告が張られてある。
【■ぬくぬく布団セット 10,000S ■ほかほか布団セット 20,000S】
「よし、■ぬくぬく布団セットにしよう!」
俺は、店に入っていった。
「いらっしゃいませ~!」
人の良さそうな店主が出てきた。
「布団をください!」
「布団を買うの? じゃあ、■宿屋効果の布団、はどうかな? 眠ると、宿屋効果で『体力が全回復』しちゃうよ~!」
「宿屋効果!? 全回復!?」
「滅茶苦茶高い宿屋などで使われているようなすごい布団なんだよ~!」
「す、すげえ」
俺は衝撃を覚えた。
流石、異世界だ。
異世界の住人になったからにはその効果を味わいたい。
「いくらですか!?」
「超特価の30,000Sだよ~。今だったら、配送も無料だよ~。どう?」
「買います!」
俺は、■宿屋効果の布団を手に入れた!
アパートに帰ると、布団が届いていた。
「おお~!」
その夜、布団に包まれて、宿屋効果で全回復したのだった。