第七話 とある俺、気を遣うスイッチに〇〇する!?
とある俺は、一週間ほどまったりと過ごしている。
まったりするついでに、暫く近くの露店を見て回っていた。
しかし、必ずと言って良いほど、どの露店にもふわふわパウダーが並んでいた。
どこにも並んでいるとなると、ふわふわパウダーのありかは冒険者全員に知れ渡っているだろう。
暇だったので、ふわふわパウダーをとある露店の店主のペドラーさんに売りに行ったが、10Sにしかならなかった。
「どうするかなー!」
俺は、窓から冒険者の行き交う露店の並んでいる道を眺めていた。
何故、ダンジョンに行くのをためらっているのか。
それは、モンスターが怖いからに他ならない。
「この防具があれば大丈夫だって言ってたけどな!」
武具を露店で売っていたとある店主が言うことには、この■ふわかる防御の鎧(素早さ+100・防御+200)を着けていれば、ダンジョンの5階ほどのモンスターなら軽く防げると豪語していた。
「でも、本当に武器がなくても大丈夫なのか?」
けれども、このままだと食料が底をついてしまうだろう。腹をくくってダンジョンに突入するしか方法はない。
「よ、よし! ちょっと行って来よう!」
俺は、腹ごしらえをして、アパートの隣にある『ダンジョン①』に向かったのだった。
ダンジョンの出入口に立つ。洞窟のような出入り口からは、ゴゴゴゴゴという音と、モンスターの鳴き声や、悲鳴のようなものが聞こえてくる。
「……い、行くか!」
俺は腹をくくって、ダンジョンの中に突入した。
一階は、ごく普通の洞窟ダンジョンだ。
この洞窟のようなダンジョンには、壁に魔法の明かりが一定間隔で光っている。
しかし、どこまで歩いても、普通の洞窟だ。
「なんだ? 敵が全然出ないぞ?」
どこまで歩いても、退屈な洞窟内の風景が広がっているだけだ。
その時、ぴろりーんと音がした。目の前に玩具のようなスイッチが浮いている。
「このスイッチは、俺のお助けアイテムじゃないか!」
俺は、喜んでそのスイッチを押した。
すると、どこかが開くような音がした。
「また、隠し部屋が開いたのか?」
しかし、その音はこちらに向かってくる。
「げっ!? モンスターじゃないか!」
「ああ、あれは、足長鳥だ」
背後から声がしたので振り返ると、リキッドが突っ立っていた。
「リキッド、居たのか」
「居たのかじゃないよ。ブルーガ君。レベルの低いモンスターだけど群れだから逃げたほうが良いよ」
リキッドはそういいながら、景色に姿を溶け込ませた。
そういえば、リキッドは魔法剣士風の格好をしている。
魔法戦士なら魔法が使えて当然なのだろう。
しかも、あんな魔法が使える辺り、かなりレベルが上のつわものに違いない。
俺は、早くも窮地に陥ってしまい、大焦りだ。
そのまま、スイッチの方を見る。だが、スイッチは消えて、文章が現れていた。
「なんだ?」
【ご希望にお応えして、足長鳥を100匹召喚しました!】
「希望してねーよ!」
俺は、要らんことをするスイッチだと思った。




