表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/13

第四話 とある俺、ふわふわパウダーのせいで悩む!?

 翌日、味を占めた俺は、他のとある露店の店主の元に■ガラスのビンを買い求めた。

 しかも、今度は1つと言わず、抱えて持てる3つを買い込んだ。合計1,800Sの出費だ。有り金はほとんど尽きてしまった。けれども、これを成功すれば、28,200Sの収入が見込める。


「じゃあ、よろしく頼むよ、ブルーガ君!」

「はい! 任せてください!」


 俺は、やる気満々で『ダンジョン①』に向かった。しかし、例の場所に来ると違和感があった。


「あ、アレ?」


 古びたドアをそっと開けて、目にした景色に驚愕した。


「な、何だこれ!? なんで、こんなに新しい足跡が!? もしかして、俺の足跡……?」


 足跡に俺の靴を合わせてみる。

 しかし、どう見ても、俺の足跡の形とは違う。


「どういうことだ……?」


 もしかして、モンスターの足跡だろうか?

 ちゃんと靴を履いているモンスターっていったい何だ?

 しかし、あたりを恐る恐る窺っても、何の気配もない。

 俺は急いで退散するべく、■ガラスのビンに■ふわふわパウダーを詰め込んだ。


【ブルーガは、■ふわふわパウダー入りのビンを3つ手に入れた!】


「やったぞ!」


 俺は、命からがら『ダンジョン①』から退却した。

 とある露店の店主の元に駆けて行く。

 俺に気づいたとある店主は、気まずそうに目を逸らした。


「約束の■ふわふわパウダーを持ってきました!」

「ああ、それなんだけど……」


 なんだ? なんで、歯切れが悪いんだ? 

 俺は怪訝に思った。


「もう、■ふわふわパウダーは買い取れないかな? ゴメンね、ハハハ……」


 俺は、ギョッとした。


「な、何でですか!? こうやってちゃんと持ってきたのに!」

「いや~……、先客がね、■ふわふわパウダーをたくさん持ってきたんだよ。だから、それをたんまりと買い込んじゃってね~……」


 俺は、ブラックホールに吸い込まれるような錯覚に陥った。


「そ、そんな……!」


 この時になってようやく全ての謎が解けた。

 あの、足跡は、俺の秘密の場所を誰かに知られてしまったからだ。

 そいつが、俺より早く店主さんに大量に売り払ったんだ!


「いや、露店はここだけじゃないからね、他で買ってもらってね?」


 俺は、頭痛を覚えながら、他の露店を見て回った。

 しかし、どの店も答えはノーだった。露店と言わず、ほかの店も見て回った。

 結局、返ってくるのは要らないという答えだけだ。


「どうすれば良いんだ!? この分だと■ふわふわパウダーが当分売れないんじゃ……!」


 唯一の収入源がなくなると、これからの生活が厳しい。

 普通に『ダンジョン①』に行って、アイテム集めをするにしても、武器と防具がないのでは命が危ない。


「せめて、武器と防具を買っておくんだった……!」


 俺の考えが甘かったのではない。

 当分、あの■ふわふわパウダーを売って生活する予定だったのに、計算が狂ってしまった。

 俺の計算を狂わせた元凶が悪いのだ。


「誰なんだ!? 俺の■ふわふわパウダーを大量に売り払った奴は!」

「僕だけど?」


 背後から声がかかった。

 まさか、返事があるとは思わなかった俺は、ギョッとして振り返った。

 そこには、一人の魔法剣士風の男が立っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ