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詩集 迷い道

永久凍土

作者: 小日向冬子

教えてよ

この悲しみを

どこに着地させたらいいの


過去を切り捨てなければ

今を生きられないほどに

傷ついてきた君と


過去を振り返ることで

自分自身を取り戻し

今を生きようとする僕


最後の最後で

すれ違った心


固くつないでいたはずの手が

まぼろしのように淡くゆらめいた


ひとつひとつ

重ねてきた年月の

その先に見えていた光を

どうやってもういちど

結び直したらいいの



悲しみが僕にささやく


抱えきれない心など

凍らせてしまえばいい


ロボットのような

笑顔を貼り付けたままでも

時は勝手に過ぎて行く


もともとのおまえは

長いことそうやって

生きていたではないか と



振り向けば

作り笑顔の裏側に

行き場所を失い

冷たく積み重ねられたままの永久凍土


僕が

僕自身を

閉じ込めてきた場所


そうやって

自分を守り


それ以上に

たくさんのものを失っていた


あのとき

僕は決めたんだ


もう二度と

自分自身を手離さないと



だから

ここで背中を向けては駄目だ


その瞬間に

心は凍り始めてしまう


負けるな

氷の世界に逃げ込むな


この悲しみはきっと

抱きしめるためにあるのだから

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