永久凍土
教えてよ
この悲しみを
どこに着地させたらいいの
過去を切り捨てなければ
今を生きられないほどに
傷ついてきた君と
過去を振り返ることで
自分自身を取り戻し
今を生きようとする僕
最後の最後で
すれ違った心
固くつないでいたはずの手が
まぼろしのように淡くゆらめいた
ひとつひとつ
重ねてきた年月の
その先に見えていた光を
どうやってもういちど
結び直したらいいの
悲しみが僕にささやく
抱えきれない心など
凍らせてしまえばいい
ロボットのような
笑顔を貼り付けたままでも
時は勝手に過ぎて行く
もともとのおまえは
長いことそうやって
生きていたではないか と
振り向けば
作り笑顔の裏側に
行き場所を失い
冷たく積み重ねられたままの永久凍土
僕が
僕自身を
閉じ込めてきた場所
そうやって
自分を守り
それ以上に
たくさんのものを失っていた
あのとき
僕は決めたんだ
もう二度と
自分自身を手離さないと
だから
ここで背中を向けては駄目だ
その瞬間に
心は凍り始めてしまう
負けるな
氷の世界に逃げ込むな
この悲しみはきっと
抱きしめるためにあるのだから