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神鳴寮  作者: MASA
8/24

大和×銀=男二人の真剣勝負外道編 終わり!!!

そして玄関を開ける音がすると、銀独特の足音を殺したような歩き方で、銀が戻ってくる。

「悪い、夕食作るの忘れてた。」

ボコボコにされ、服には大和の靴の跡がついているがいつもの銀、

「あの、大和君は?」

「外で寝てるよ、行ったあげたら?」

雀は心配そうな顔で、銀に尋ね、雀は慌てて出ていく。

「、、、、なんだその顔、」

「そりゃこっちのセリフですよ、それ痣になりますよ?」

「別に困りはしないさ、」

「勝ったんですか?」

「当たり前だ。とは言え、明日雀と一緒に行動するから顔とか腕とか目立つ場所は傷つけないようにしてたんだけど、してたんだけど流石に無理だった。

頭付きで、鼻血ださせてしまった。やっぱ大和は強いな!」

「嬉しそうに言いますね」

「そりゃそうさ、本気でやりあえるのはあいつ位なものだ。千里は戦う前に逃げるし、大貴は怒らせれば強そうだけど、流石の俺でも良心が痛む。大和なら本気でやりあえるし、ためらう必要もない、それに何よりあいつは俺より適度に強い。」

「強い癖に勝った、意味不明なんですけど」

「ダメージは見ての通り俺の方が上だよ。格闘技だったら、大和が勝つさ。でもこれは喧嘩だ。最後まであきらめない方が勝つんだよ、あいつは殴り合ってる途中で、全部どうでもよくなって満足した。心の中に負けてもいいやって思った。だから負けたそれだけだ。」

「なにそれ、ホント馬鹿。」

「俺もそう思うよ、特に馬鹿だと思っていても、やめられないところとかね。」

「喧嘩に買って勝負に負けたとこですか?」

潤が濡らしてきたタオルを銀に渡す。

「は?俺が勝っただろ。」

「雀ちゃん、大和君の心配しかしてなかったですね。目の前でボロボロになっている人の心配する余裕もなかったみたいですよ。」

「ふん、当たり前だ。俺は心配される覚えはない。それより、夕食を、、」

銀は台所に向おうとするが、足元がふらつき、コケそうになる。

助けようとする潤を拒絶し、フラフラになりながらも自分の力で歩こうとする。

「今日くらい自分たちで作りますから、銀さん休んでていいですよ。」

「喧嘩は趣味だ、料理は義務だ。問題ない。」

「それじゃ、手伝いならいいでしょ。私銀さんの血の入った料理は食べたくないです。」

「それは、、、確かに」

銀はしぶしぶ潤の善意を受け入れるという屈辱的な提案を飲む。

彼の中では今日唯一にして最大の敗北だ。

「潤、手間かけて悪い。」

「はぁ、そう思うなら、今度からほどほどにしてください。

それから他のストレス解消の方法も覚えてください。

大和君に八つ当たりもいい所ですよ。」

「それはお互い様だ。」

「ほんと仲いいですね。」

「どこがだ、」

「同族嫌悪でしょう。あ、もう、血垂れてきてますよ、ちょっと先に手当てしてきてください。」

「これくらい問題ない。落ちる前に払う」

「私に、手当てしてほしいんですか、」

「、、、ちょっと止血してくる。」

「はいはい、どれだけ人に何かされるの嫌いなんですか。前みたいにセロハンテープとかガムテープをばんそうこう代わりにしちゃダメですよ。」

「、、取りに行くのが面倒だな」

「落とし穴作る手間をおしまい人がそんな事をめんどくさがらないでください。」

銀はおとなしく、救急箱を取りに向かう。その過程で、自分の部屋からタオルを持ってきた雀にすれ違う。

「銀さんの馬鹿!」

雀はタオルを濡らし、潤に氷をもらうともう一度銀の元に走っていく。

銀はそれを見送りながら、再び救急箱を探しに行く。

「、、、、、潤さんすごいね、銀さんが素直に言うこと聞くなんて。」

「そうでもないわよ。ボランティアで言っている児童会館の悪ガキと同じよ。

怒れば怒る程、言うこと聞かないし、頑固になって人の話も聞かなくなる。

そう言う時は二人っきりで、優しくゆっくり説明してあげればいいの、

それと否定よりも、ちゃんと順番を折って理解させてあげる事が大切ね。

まぁ、子供よりも可愛げがない所残念だけど、物分かりが良い所は良い所ね。

要は北風と太陽。正面から言っても銀さんには言いくるめれるでしょ。

人を怒らせたり、手玉に取るには相手以上に頭回らないと、私銀さんみたいに頭の回転早くないし、だったら銀さん側の立場に立って、あげればそんなに難しい事じゃないわよ。」

「、、、潤、お母さんみたい、、」

「な、心外だな、子供の相手は大好きだけど、これでも恋に恋する16歳ですよ。」

「潤、この間17になったでしょ、その年で、年のサバ読まないでしょ。」

「うるさいな、いいじゃない、私17歳になるまでに絶対彼氏作るって決めてたのに、、、いまだに蜂須賀先輩とは友達どころか知り合いにすらなれてないし、だからと言って妥協するのも嫌じゃない。そりゃ初恋は敵わないっていうけどさ、それでも、素敵な恋の一つくらい、したいじゃない。初恋って人生で一度しかないんだよ、、それにさ、、」

ロマンチックモード全開でぶつぶつ言いだした潤を残し、湊たちは静かに、かつ自然に、まるで山で熊に遭遇した時の正しい対応方法のように見事にフェードアウトしていく。


一方、大和の介抱に向かった雀は、動けず、地面の寝そべった大和の頭を膝の上に乗せ、濡れタオルで顔や手についた鼻血を優しくふき取っていく。

大和は、雀のタオルが汚れるからと嫌がったが雀は、いいからと半ば強引に大和の顔をきれいにする。そしてもう一枚のタオルを氷の入ったビニールを包み目に当てている。

自由の効かない大和。頭は重力になすすべなく、雀の膝の上に預けるしかなく。

後頭部には雀の感触、それに、この距離ではどうやっても雀の匂いがする。

視覚が封じられた状況では嗅覚と触感が鋭敏になりどうも落着かない。

どっからどう見ても、彼氏を甲斐甲斐しく開放する年下の彼女にしか見えないが、

二人には年齢差はなく、そして恋人という関係ではない。

少なからず、大和にはそういう願望があるが、雀にとって大和は恩人。

それは彼女が持つ誰よりも強い絆ではあるが、大和の望む関係性ではない。

彼女に出会って最初に彼女が言った言葉、この身も心もあなたの自由にしてください。

その言葉が重くのしかかる。もし、彼女に好きだと伝えれば、彼女は応えてくれるだろう。

でもそれはきっと、他に好きな人が彼女にいてもきっとそういってくれるそう分かっている。だからだ、大和は好きだとは言えないし、今の関係が変わる事も望んでいない。

大和の中で、自分はまだ未熟で、彼女にふさわしいだけの「男」にはなっていない。

「もう、いいよ雀、ありがとう。」

「ダメだよ、やまと君、もう少し安静にしていないと。」

「でも、こんな所にいたら、蚊が寄ってきちゃうよ。」

「大丈夫、私刺されにくい体質だから、」

大和に触れる雀の体温は暖かく、甘いと表現するのが適切であるかのような、いい匂いがする。とても蚊が嫌うようには思えない

「いや、でも、、、」

「大丈夫です、だからもう少し、あのね、怪我したばかりの時はあまり動かさない方がいいって、特に鼻血とか出てる時は頭を高い位置にして安静にしておくんだって」

「あれでも、銀さんはちゃんと加減してるから、そんなに心配しなくて大丈夫だよ。見かけほどひどくないから。」

「銀さんには私、きつく怒っといたから。」

「ありがとう、雀は優しいな。でも、これは好きでやってることだから、

馬鹿な話だけど、こうして思いっきりなぐり合って、俺今凄く、気分がいいんだ。

負けたけど、やっぱ銀さんはつえぇって、化け物かよって笑いが出てくるんだ。

そしたらさ、イライラしてたのも、怒ってたのも全部どうでもよくなって。

体は痛いけど、それでも全然気分はいいんだ。」

「あの、大和君。ごめんね、私のせいでこんな事になって、あの、銀さんあぁ、言ってるけど私一人でも大丈夫だよ」

「何の事、、、あぁそうか、元々明日僕が雀と一緒にいるかどうか決める勝負だったな。

忘れてたよ。別にそんなの雀のせいでもなんでもないよ。

それに僕は雀と遊びに行くのは全然いやじゃないよ。というかむしろ久しぶりに遊びに行きたいかな。」

「本当?」

「本当だよ。こっちに来たとばかりの頃はよく一緒に遊びに行ってたけど、

最近はそういう機会もなくなったし、たまにはいいかもね、二人でどこかに行くのも、

だからそれはそれで、その、なんていうか、、、僕は雀と遊びに行くのは凄く楽しみにしているよ。せっかくだから思いっきり楽しもう」

そう言って大和は多少動くようになった体で、雀の手をどかし、タオルを取り、雀に笑いかける。

雀に心配をかけない為の笑顔だったが、真上に覗き込むようにある近距離の自分の事を心配しての泣き顔の雀の顔を見てしまうと思わずにやけてしまう。

やっぱり、あの時、雀を連れ出したのは間違いじゃない。そう思える瞬間だ。


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