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神鳴寮  作者: MASA
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銀×雀=籠の中の鳥、檻の外の獅子①

人にはそれぞれ幸せがある

例えば、大和、彼は特に雀だが、自分の行動で誰かに喜ばれる時、幸せだと感じる。

例えば、湊、彼女は自分の力が他人に認められ、尊敬される時、幸せだと感じる

例えば、千里、彼は誰かに愛されていると思える時、幸せだと感じる

例えば、雀、彼女はみんなと一緒に楽しいと感じる時、幸せだと感じる

幸福の価値など測れず、幸福の貴賤など他人と比べるほど、幸せを無駄に失う事はない。

誰かと比べる物ではないが、多くの幸せは自分以外の誰かとの関係の中に生じる事が多い。

共感、共有、認めてほしい、必要としてほしい、愛してほしい、力にならせてほしい。

そして、理解してほしい、受け入れてほしい。

他に求め、欲し、それに応えてもらう事で多くの幸せは存在できる


そして、銀、彼は自分の信念に準じ、行動している時、幸せだと感じる

自分が知識を得、力を手にする事を幸せだと感じる。

対価なく『他人』という自分以外のすべての存在に頼る事を敗北だと感じる。

彼の幸福は他人の共有するものではない。彼は孤独を望む。

いや孤独という概念すらない、彼は最初から一人だ。

他人などたとえ親兄弟でも、法で語られる以上の関係性はない。

例えば、そんな彼の本質を知っている彼の姉は彼との付き合いかと分かっているし、

それでも弟の銀の事は大切に思っている。

そして銀も必要以上の干渉をいない姉の事を親以上には重要な存在として認識している。

だが、例えば、姉が彼の信念に反するのなら、彼は躊躇いなく他人と同じ様に排除し、

罪を犯したのなら、躊躇いなく言葉で糾弾し、司法による断罪を望む。

かつて彼の祖父が亡くなった知らせが学校に入った時、帰るように言われたが、

彼は問題ないといいそのまま最後まで授業を受けた。

それにキレた彼に父親に対し、彼は死に際に会いたいというのであればすぐにでも行った。

でも死んだ人間に対して自分が急いで行った所で何にもならないそれはあんたのメンツと自己満足の問題だろうと、

そして葬式でも彼は涙一つ流さなかった。すでに死んでいる。

この儀式で救われるのは何かをした気になれる人間だけだ。

日々のに日常の幸運を神に感謝せず、何かあった時だけ、世間体や催事の時だけ救ってくれるか見であれば何にでもすがる父親を彼は無意識的多神教者

と評し、彼は自分自身を意識的無信教者だと語った。神に頼る事で己の心に隙が生まれる。神にすがる事で、己の選択の結果重荷を軽くさせる。神を信じる事で、その目は曇る。

神を恐れる事で、自らが涼むべき道を躊躇う。それはすなわち己の放棄。

それがまず銀にとって最も重要な価値観。

そんな銀は、死んだ世界を信じない。

死んだ肉体に死体以上の価値があるとは思えない。

彼はそう考えている。

生きていた時に対する行動の結果に対する敬意と、この目の前にある死体に対する敬意は別物だ。これは既に物に成り果てた。元が何であってもだ。

むしろ魂を死後の世界を信じるのなら、

なお目の間にあるこれは、故人自身ではない。

近しき死者にできる1000の供養よりも、

名も知らぬ生者にできる1の行動は比較に及ばず価値がある。

また残された生者に対しても、心の価値は認めつつも、いい大人何だろ自分のメンタルくらい自分で何とかしろと言い放つ。

彼において利害関係、興味の対象以外の人間関係は成立しない。

つまりは『特別な存在』が存在できない。

いつでもだれでも他人になり、いつでもだれでも特別になりうる。

たった一人でも成立する世界に彼は生きている。

だから、彼は他人を理解できても共感できない。

自分と他人が違うという事を、他人が自分を見て彼が普通じゃないと思うよりも明確に理解している。それはそうだ。彼の方が冷静で、彼の方がそういう機会が多い

100人の人間と出会った時、99人が彼を異常と感じる事を理解している。

100人の人間が彼を見た時、99人が彼を普通じゃないそれぞれ感じる。

純粋に彼だけ異様であるという事は何より理解している。

だが、それでも彼は他人に合わせる気など全くもってない。

法には従えど、情には従わず。最大公約の価値観に重きを置くことが何の価値があるか、

だから彼は変わらない。彼の価値は彼を分かっていればいいただそれだけだ。

それは認められるためのものではない、彼自身が思考の基本なのだ。

銀は決して揺るがない、銀は決して迷わない、銀は決して躊躇わない。

そして銀は人の幸せなど感じない、必要としない。

あるのはただ信念と、彼の理屈で矛盾のない行動と結果のみだ。

相手が何であれ、その結果、多大なる被害が出るのであれ、彼は自分の意思で行動する。

その結果、幸福のみを約束された一人の少年遠野大和は、人生最大の不幸。

その力故、彼に狙われ、彼という人間に出会うという結果を押し付けられた事だ。

その結果、憑代の運命を背負わされた一人の少女祇園雀は、人生最大の変化。

その境遇故、彼に目をつけられ、檻を失い、人として生きていくことを余儀なくされた。

その結果、その一人の少年は一人の少女と出会う事で人生最大の『幸福』を手に入れた

その結果、その一人の少女は一人の少年と出会う事で、人生初の『幸せ』を理解した。

そんな変化の中、彼は二人に出会っても何も変わらなかった。

それが宮司銀という異形の天才だ。


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