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エグジスの極夜  作者: 素だと口が悪い人間
第一章 一部 孤高の少年と救われない少女
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15話 手当てされるキョウヤ

前回の話よりかなり質が落ちています。

正直、話を書く時間が無くなってきていて非常にピンチです。

 ライトと勝負し、教師達の制止を無視したキョウヤはそのまま帰るべく校門に続く道を歩いていた。


「待って、キョウヤ君!!」


 後ろから呼ぶ声が聞こえたので、キョウヤは後ろを振り向くと刹那が走ってきていた。そして、キョウヤの後ろで止まり、手を膝につけて肩で息をしながら、


「やっと・・・見つけた」



 呼吸を整えようとしながら、刹那はそう言うと突然、


「行くよ」


 と、言うと来た道を戻っていった。


「・・・・・・」


 それをキョウヤは突然の事過ぎて何も言えずに茫然と見ていた。

 刹那はどんどん歩いていたが、キョウヤがついて来てない事に気付いたようで、キョウヤの方を向き、


「早く来る!!」


 と、怒った様に言うと、また歩きだしてしまった。 キョウヤは色々と疑問に思うが、一先ずは刹那について行こうと、刹那の後ろ姿を追って行った。

 刹那はキョウヤが追い付いて来ても何も言わずに歩き、玄関口を通って、校舎の中に戻っていった。刹那がある部屋の前で止まった。そして、扉に手を掛けて横にスライドさせた。


 そして刹那が部屋に入るとキョウヤも続いて部屋に入った。

 部屋は入ってすぐ左に机があり、その近くには棚があった。そして、奥を見ると布で仕切られた場所が三つある。


 「そこに座って」


 刹那はキョウヤに椅子に座る事を勧めた。キョウヤは特に疑問を持たずに座った。刹那は棚や机から色々物を出すと、キョウヤの前に椅子を持ってきて座った。


 「見せて」


 「・・・何を?」


 「何をって・・・」


 刹那は盛大に溜息を付いた。

 自分が持ってきた物をキョウヤに見せ付けた。


 「これは?」


 「白い紐」


 「違う、包帯!!」


 「・・・包帯って言うのか」


 「え?」


 刹那は思わずそう言ってしまった。そして、嫌な予感がしたのか、キョウヤに質問した。

 

 「キョウヤ君。これの名前分かる?」


 刹那がそう言って見せたのはピンセットだった。

 普通なら分かるはずである。


 「何だそれは?」


 だが、キョウヤは悩む事さえせずにそう言った。


 「ピンセットって言うんだよ」


 「・・・ピンセット?」


 「・・・・・・」


 刹那はキョウヤが全く知らない事に驚いたが、今はそれ所では無い様に首を左右に振った。


 「まぁいいや。見せて」


 「何を?」


 「怪我した所」


 「・・・・・・」


 「さっき、あの馬鹿と戦ったでしょ?」



 「あの馬鹿?」


 キョウヤは先程戦った相手を思いだしていた。金髪で剣を使っていた奴で、やけに叫んでいたなと。


 「そう、ライトの事」


 「知り合いなのか?」


 キョウヤが聞くと刹那は溜息を付きながら答えた。


 「一様、幼なじみって言う関係なのかな?私は思ってないけど」


 「・・・そうか」


 「そんな事より」


 刹那は包帯を手に取り、「手当て、するよ」と言うと、再度同じ台詞を言う。


 「怪我した所、見せて」


 「・・・怪我なんて無い」


 「・・・そんなボロボロなのに?」



 刹那は下を向き、声は明らかに小さかった。


 「お前が気にする事じゃない」


 キョウヤはそう言うと立ち上がって、何処かへ行こうとした。


 「待って!!」


 刹那がキョウヤを引き止めようとしてキョウヤの右肘を掴んだ――、


 「つっ!?」


 キョウヤが僅かに顔をしかめ、声を出した。


 「・・・キョウヤ君」


 「・・・・・・」


 「ちょっと見せて」


 刹那は掴んだ所を診ようて右肘を掴んだまま引き寄せた。同時にポケットに入っている右手も一緒に出た。


 「・・う・・・・そ」


 刹那は驚愕してしまった。キョウヤの右肘では無く、一緒に出た右手に。

 そこには――焼け焦げ、血が出て、震えている右手があった。

 それを見て刹那は言葉を失ってしまった。それはあまりにも、酷く、自分の予想を超えていたからである。


 「このぐらい、直ぐに治る」


 キョウヤは言葉を失っている刹那を余所にそう言って刹那の手を振りほどこうとした。だが、何回やっても刹那の手は離れなかった。


 「・・・おい、いい加減」


 離せ、と言おうとした所でキョウヤも言葉を失ってしまった。

 何故なら――、


 「ごめん・・・・・・ごめん」


 刹那が俯きながら右肘を掴み、そして一滴、一滴と滴が落ちていた。


 「・・・何泣いてんだよ」


 「ごめん・・・ごめん・・・ごめん」


 「お前のせいじゃない」


 「ごめん・・・ごめん・・・ごめん・・・ごめん」


 そこで、キョウヤは違和感を覚えた。明らかに刹那の様子がおかしい。


 「おい」


 「ごめん・・・ごめん・・・ごめん・・・ごめん」


 「聞いているか?」


 「ごめん・・・ごめん・・・ごめん・・・ごめん」・・・ごめん


 「・・・・・・」


 「ごめん・・・ごめん・・・ごめん・・・ごめん・・・ごめん・・・ごめん」


 何を言っても全く反応がない。それ所がずっと同じ言葉を繰り返し言っている。


 「・・・・・・」


 そんな刹那を見て、キョウヤは昔を思い出す。


 『あの人』の事を



 「・・・もういい」 


 「ごめん・・・ごめん・・・ごめん・・・ごめん」


 「・・・謝るな」


 「ごめん・・・ごめん・・・ごめん・・・ごめん」


 「刹那」


 キョウヤが刹那の名前を言うと、今までの事が嘘のように止まった。

 

 「あ・・・・れ・・?」


 刹那は顔を上げた。その顔には、まだ目は赤いが、表情は不思議そうにしていた。


 「・・・おい」


 「あー」


 刹那は間延びした返事をすると掴んでいた手を離した。


 「ごめん・・・ちょっと入ってた」


 笑顔でキョウヤに言うが何処かぎこちない。


 「・・・そうか」


 キョウヤはそう言うと、椅子の方に戻った。


 「キョウヤ君?」


 「・・・手当て」


 「え?」


 「手当て、するんだろ?」


 キョウヤはそれだけ言うと、先程座っていた椅子に座った。

 それに、習うかの様に刹那も椅子に戻って、キョウヤの手当てを始めた。



 その間、二人は何も話をしなかった。

 

 「はい。巻き終わったよ」



 刹那がそう言って、終わった。

 キョウヤは手を握ったり閉じたりを暫く繰り返した。


 「違和感無いな」


 キョウヤは思わず感想を言うと、それを聞いた刹那が、


 「そんな上手じゃないって」



 笑顔で言う。しかし、突然、少し目を落とした。

 

 「聞かないの?」


 「・・・何がだ?」


 「さっきの私について」


 先程の刹那の状態は明らかにおかしかった。普通なら聞くのが普通だろう。



 「お前は、聞いてほしいのか?」


 「・・・・・・」


 その質問に刹那は答えなかった。それを暫く見たキョウヤは溜息を付いた。


 「聞いてほしくないなら、俺は聞くつもりはない」


 キョウヤはそう言うと、椅子から立ち上がった。そして、部屋を出ようとしてドアに手を掛けた。


 「昔ね・・・」


 刹那が小さい声でそう言った。


 「昔、ちょっと遭ってね。それの影響で酷い怪我を見ると、ああいう感じになっちゃうんだ・・・」


 「・・・治さないのか?


 キョウヤはそれを聞いて質問した。


 「・・・治さないよ」


 いや、と刹那は言うと、


 「治しちゃだめなんだよ」


 そう言った。


 「・・・・・・は?」


 キョウヤは思わず聞いてしまった。


 「これは、罰なんだよ」


 「罰?」


 「うん」


 「そんなの知るか、治せ」

 キョウヤはそう言うとドアを開けて出て行った。


 そして、部屋には刹那だけになった。刹那は独り言の様に言い始めた。 


 「・・・一生償っても償いきれないよ・・・私の罪は」


 言い終わると刹那は、椅子から立ち、部屋を出た。

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