11話 悩む少女
アルド魔法学園は全国で有名と言っても座学などの普段の授業は至って普通である。
教室で教師が教卓に立って黒板に書くか教科書を読むかであり、生徒もノートに写すか話しを聞いているしかない。
そして、今は教師が黒板に書いている所なので生徒はそれをノートに写している。
そんな中、自分の席が窓際にある刹那はノートを写さずに外を見ていた。別にノートを写すのが面倒とか授業が分からないとかではなく、ただ、単に考え事をしていた。
何時会ったんだろう?
と、私はそれしか考えてなかった。
初めての高等部での授業を楽しみにしていたけど今はどうでもよかった。
それよりも、今朝の一件の出来事が私の頭の中を占領していた。
キョウヤ君が三年生を殴り飛ばして一言言った後、私はそこで終わりだと思った。だけど、三年生はそこで終わらなかった。
舐められるのが嫌だったのか仲間意識が高かったのか分からなかったけど私とキョウヤ君を囲んだ三年生は全員キョウヤ君に襲い掛かった。
・・・まぁ全員返り討ちだったけどね。
今朝の一件を見た生徒はどう思うのだろう?
キョウヤ君の事を思うのか、それとも三年生の事を思うのか、どちらしてもお互いに評判は下がるだろう。
現にあの後のキョウヤ君の評判は悪かった。普通に歩いていてもキョウヤ君の悪口が多く聴こえてきたし、教室に入ってもキョウヤ君の悪口が絶えなかった。
「・・・・・・・・・」
だけど、私が今朝の一件で一番印象に残っているのは、
「変わらないな・・・・・・お前は・・・か」
キョウヤ君が円の外に出なかった私に言った一言だった。今朝の一件が終わった後、私はずっとその言葉を考えていた。
(・・・・・・)
言葉の意味を考えるとキョウヤ君は私と昔、会った事があるということが分かる。けど問題なのは、何時、何処で会ったのか分からない。
(・・・・・・)
多分だけどアルドで会ったんじゃないかなって私は思っている。
・・・ただの感だけど。
もし、アルドで会ったとするとそこから何時、何処で、という話しになってしまう。
「そこが、分からないんだけどね」
私がアルドへ来たのは八歳の時だからそこから現在に至るまでの記憶を思い返しているが一向に分からない。
「・・・もしかして」
私は記憶を思い返しているが全てを思い返している訳ではない。正直、嫌な記憶は思い返さないでいた――したくなかった。別に全ての嫌な記憶を思い返したく無い訳ではない。
たった一つ
たった一つだけ思い返したくない記憶があった
それは、十歳の時に出会った男の子との思い出
だけど、
「・・・・・・」
それはキョウヤ君ではないと断言できる。
何故なら、その男の子はもう
「何、物々言ってんだ東條?」
突然呼ばれたので声が呼ばれた方を向くと、綺麗に先生と目が合った。
「話を聞いていたか?」
と、先生が言ってくる。
(確か、ディグって言ったかなこの先生?)
中等部では見たこと無いから高等部の先生だなと思いながらこの場を切り抜ける方法を考える。
「いえ、全然聞いてません」
馬鹿正直に本当の事を言ってみる。馴染みがある先生ならごまかすけど、馴染みが無い先生には馬鹿正直に言うのが一番である。
そして、案の定、ディグ先生も
「馬鹿正直に言われても困るんだが」
困りながら言っている。
そして、困りながら言っている先生を見て、反応して他の生徒が笑う。
「笑うな!!お前ら!!」
と、言うが効果は無く私以外の生徒は、いまだに笑っている。
「と、とにかく、中級魔法までは一般常識だから覚えろよ」
「はーい」
適当に返事をした。
そして、黒板を見ると詠唱やら無詠唱やら軌道などが書かれているが、魔法は使う気にはなれない。
(けど、覚えておいて損はないかな)
と、思うので重要そうな所だけを覚える。
すると、
キーンコーンカーンコーン
終了のチャイムが鳴った。
「しっかり復習しとけよ」
と、言ってディグ先生は教室を出ていった。ディグ先生が出て行った後、私はどうしようか悩んでいた。
(キョウヤ君に聞こうかな?でも、失礼かな)
キョウヤ君に聞いた方が
手っ取り早いけど、覚えて無いって分かったらガッカリするよね、と思うけど思い出す自信が無いんだよね。
(・・・もうちょい頑張りますか)
悩んだ末、私は頑張って思い出す事に決めたが、結局思い出せなかった。
予定がぎっしり詰まっていて登校するのが遅くなってしまいすいません。
予定が多すぎて次は何時になるか分かりませんが、ご了承下さい。




