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エグジスの極夜  作者: 素だと口が悪い人間
第一章 一部 孤高の少年と救われない少女
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9話 街中の会話

これで、五十五回目


 少年――キョウヤは自分の目の前の光景を見て改めてそう思った。

 目の前の光景は、少女が三人で話をしている所である。その中の一人は先程から一緒にいる青色のショートヘアの少女――刹那である。他の二人は全く見たことが無い相手だが、


(・・・別にいいか)


大方、刹那の知り合いだろう、と思い深く考えるのを止めた。同時に刹那の方も話しが終わったようで、刹那と話していた二人は何処へ行ってしまい、刹那はその二人に「またねー」と掛けながら手を振っていた。手を振り終えると、こちらの方を振り返り、


「それじゃ行きますか!!」


「あぁ」



そして、歩くこと一分もしない内に


「おーい、刹那ちゃん!!」


また、刹那が声を掛けられた。声を掛けられた方を向くと三人組の少女達がこちらに向かって来ていた。 今、向かって来ている三人組の少女達も見たことが無いが、刹那曰く、「皆、キョウヤ君や私と同じ一年生だよ」との事らしいが、別に興味ないので刹那の「知り合い」として一様覚えておく位にしておく。


「久しぶり刹那ちゃん!!」


「いやー久しぶり、久しぶり」


「一週間位かな、会ってないの?」


「いや、入学式の一週間前からだから二週間だよ?」 と、言ったやり取りが目の前で起こり、


(・・・またか)


と思わずにはいられなかった。


先程、刹那に名前を言った後、特にやることが無かったので、俺が「帰る」と言ったら、「一緒に帰らない?」と刹那が聞いてきたので「構わない」 と、軽く返事を返して一緒に学校を出た時に、少女が一人駆け寄って来た。そして、その時に目の前で起こっている事が起きたのだ。

その時は五分くらいで話しが終わったので特に何とも思わなかったのだが、歩く度に色々な奴らが刹那に声を掛けながら駆け寄って来るので、その度に止まるというパターンを繰り返す羽目になった。


(それにしても)


知り合いが多い、いや、

多すぎる気がする。

たしか、一回目に止まった時はまだ太陽が頂点に達していなかったのだが、今は、と思い太陽を見上げると、


(・・・頂点を過ぎている)


太陽が頂点を普通に通り過ぎていた。

太陽から目を離して刹那達を見ると、


「でさ、こんな事があったんだよ」


「本当、それ?」


「ホント、ホント」


「絶対、嘘だよ!!」


「嘘じゃないって!!」


えらく盛り上がっていた。

なので、


(・・・仕方ないか)


話しが終わるまで待つ事にした。

そして、空を見上げ、太陽が更に傾いたんじゃないかと思った時、


「そんじゃ、また明日」


「うん、バイバイ刹那ちゃん」


「うん、学校でね!!」


刹那達の話しがやっと終わった。視線を戻すと、少女三人組は何処かに行こうとしていた。

その時、


「・・!!」


「・・・・・・・・・」


三人組の一人と目が合った。


「は、早く行こ?」


目が合った一人が他の二人に言うと、


「「う、うん」」


三人組は速足で直ぐに何処かに行った。そんな三人組を目線で追いかけ、


「・・・・・当然か」


と、思わず呟いてしまった。


「ごめんね、キョウヤ君」


唐突に刹那が言ってきたので、


「・・・・・・何が?」


何が「ごめんね」なのか、分からなかったので聞き返した。


「いや・・・その、何と言えばいいか」


「・・・・・・・・・」


刹那はどうも言葉が出て来ない様で暫く、ゴニョゴニョと、何か言っていたのだが、


「その、・・・あまり気分良く・・さ・・・・無かったよね?」


「・・・・・・・・・」


「その・・・ごめんね」


何やら、申し訳なさそうに言うので、


「別に、お前が謝る事じゃない」


「でも!!」


「でも、じゃない」


と、言って俺は一人で歩きだした。


「ちょっと!!」


刹那が言うと駆け足で俺の横に揃った。その後はしばらくは何も話さなかったのだが、刹那の様子が目に見えて落ち込んでいるので、何か話した方がいいのか考えて、


「知り合いが多いな」


「えっ」


「・・・・・・・・・」


「いや、それほどでもないよ」


「五十六回止まって、百三十七人に会う奴がそれほどって言うなよ」


「数えてたの!?」


「まあな」


「・・・・・・・・・記憶力凄いね」


「そうか?」


「うん」


話しをして、少しは元気になったと分かった。

そして今度は刹那から、


「キョウヤ君って友達は・・・いないよね」


「勝手に決めるな」


「じゃあ、何人?」


と、何と答えても面倒になりそうな質問だが、敢えて無言でいるともっと面倒な気がするので正直に言う事にした。


「一人」


「・・・・・・・・・」


「何だ、その間は?」


「いやーだってさ」


「だってさ、じゃない」


「にゃはは」


「にゃはは、じゃない」


「うふふ」


「うふふ、じゃない」


・・・やはり面倒になった。


「でもさ、一人じゃないよね?」


「は?」


刹那は俺の正面に向かい合って、


「私も入れて二人でしょ?」


「・・・・・・・・・」


「ね?」


首を傾げて聞いてくるので、


「はぁ」


溜息をついてしまう。溜息をつくと、刹那は少しムッとした顔になり、


「・・・何で、溜息つくのかな?」


不満そうに言ってきた。

溜息をついた理由はあるにはあるのだが、別に言わなくてもいいと思うので、


「自分で考えろ」


「いいじゃん教えてよ」


「断る」


「キョウヤ君のケチ」


「・・・・・・・・・」


「ケチ」


「・・・・・・・・・」


「ケーチ」


「・・・・・・・・・」


「ケ、」


「五月蝿い、黙れ」


「痛っ!?」


同時に刹那の頭にチョップをした。多少は加減したのでそんなに痛くないと思うが、刹那が頭をおさえながら、


「うー酷いよ、キョウヤ君」


「お前がうるさいからだ」


「そんなに五月蝿くないよ」


「五月蝿いものは五月蝿い」


「ブー、ブー、ブー」


「・・・・・・・・・」


「ブー、ブー、ブー、ブー、ブー」


「・・・・・・・・・」


「ブー、ブー、ブー、ブー、ブー、ブー、ブー」


「・・・・・・・・・」


「ブ」


「いい加減にしろ」


俺は刹那を黙らせるべく右手でもう一度チョップを放つ。


「見えた!!」


が、刹那はチョップを左側に動いて避ける。なので、そこですかさず左手を動かし、


「甘い」


「痛っ!!」


刹那の額にデコピンを放つ。もちろん黙らせるべく強めに放った。

案の定、刹那は「うー」と額をおさえながら呻いている。そして、俺を見て


「痛いよー」


「当たり前だろ?」


「う」


「今度はもっと痛くするぞ」


「・・・・・・・・・」


何か、またやりそうだったので忠告したら刹那もこれ以上は嫌らしく、やっと黙った。

それからしばらく歩くと


「よーし、到着」


刹那は言うと、


「ごめん、私の住んでる家は此処だから」


刹那は右にある家を左手の人差し指で指した。その家は他の家と違って木で出来ている――家と言うよりも――屋敷であった。入口は今は閉まっているが一度に大勢の人数が出入り出来るほど、横に大きい。しかも、他の家の倍以上も大きい。


「でかいな」


「一様、舞台もあるから必然的にこんな大きさだよ?」


「そうか」


「ま、私は住まわせてもらってる身だけどね」


「住まわせてもらってる?」


「うん」


刹那は一旦区切り、


「私、出身地はジブサムって言う東にある国なんだ」


「ジブサム?」


「そうだね・・・何て言えばいいかな?」


刹那はそう言うと唇に人差し指を当てて考えはじめた。それはそれで結構魅力的な姿である。


「この家みたいな木造の建物が一杯あって、服装も結構違う。簡単に一言で言うなら・・・和だね」


「和?」


「そう、和。って言う様な国」


「全く分からないんだが?」


「自分の国を説明するのって案外難しい事なんだよ」


「そうなのか?」


「そうなのです!!」


何故か刹那は胸を張って威張る。正直威張られても困るんだが、と俺が思っていた時に


「ま、詳しくは今度教えるよ。今日はありがとう」


刹那が言うので、


「別に・・・このくらい構わない」


返事をした。


「それじゃ、また明日」


刹那は笑顔で言うと屋敷の入口を開けて中に入って行った。完全に入口が閉まるのを見届けた後、俺も家に帰るべく歩きだした。街は大勢の人がいるが昨日の夜ほどでは無いのですんなりと通る事が出来た。だが、通る最中に先程、刹那と話しをしていた三人組がいたが、話しに夢中らしく俺には気が付いていなかった。


「私を入れて二人・・・か」


それを見て先程の刹那との会話を思い出す。


「お前を入れて一人なんだがな」


と、呟きながら街を後にした。

早く投稿すると言っておきながら遅くなってすみません。文化祭の事を忘れておりまして、そちらの準備に手が一杯で投稿が遅れてしまいました。

次もなるべく早く投稿出来るようにしますのでご了承下さい。

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