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007


数日後、今日は正式に芸能事務所の所属として正式に契約することが決定したと言うことで、挨拶に行くことになった。



「ヤダヤダヤダ、絶対に嫌だ!!」


「ここまで来て、いい加減に諦めなさい!」


「ふざけんなよ! 俺は一言もやるとは言って無い! それに、学校とか友達とかに芸能活動するのにどう説明すんだよ!!」


「女優として成功しちゃえば学校なんて行かなくても問題ないじゃない。」


「お・れ・は・男だ! 女優じゃね~!!」


「大丈夫、千秋は可愛いからバレないって~」


「だ~か~ら~、そんなの変声期が来た時点で終わりだろうが! 他の人より少し遅れているだけで、もうすぐ俺も声が変わっちゃうの!」


「そう言えば、何処かの国の合唱団で、声変わり前の男の子のおち〇ち〇を切り取っちゃうことで、声を維持させるって話を聞いたことがあるんだけど。」


「「それだ!」」


「『それだ!』じゃない! やらないからね! 無理やりそんなことをするんだったら、本気で自殺するかんな!!」


「「「チッ!」」」


「舌打ちしやがった……大体、何で俺が女優をやらなきゃならないんだよ! ねーちゃん達が女優やれば良いだろうが!」



ゾクリ……何だ!? 突然寒気が襲ってきたぞ! しかもねーちゃん達全員からだ。



「千秋……人にはね、言って良いことと悪いことがあるのよ。」


「な、何の話だよ。」


「「「私達全員、書類審査で落とされたのよおおおおぉぉぉ~~~~~!!!(血涙)」」」


「あ、うん。何かごめん……」



正直、ねーちゃん達は見た目は美人だが、性格がちょっとね……

吉田さんやマネージャー達に色々とバレたのが影響したのかもしれない。でも、よく俺のマネージャーとして雇って貰えたよな。謎だ。



「まぁ、さっさと準備しちゃわないとね。千歳、沙月、やっておしまい!」


「は~い。」


「ほら、千秋、脱げ!」


「いやああああぁぁぁぁ~~~~!!」



・・・・



さすがに、この女装姿も3回目ともなると少しは慣れ……るかあぁぁぁ~~~!!

でも、ねーちゃん達に逆らえない俺、ヘタレです。



「準備出来たわね、行くわよ。」


「は~い。」


「はい。」


「はい……」



俺達姉弟は、芸能事務所へと出発するのであった。

そして最寄りの駅へと到着した。



「ねぇ。」


「何?」


「もしかしてだけど、電車で移動するの?」


「そうよ?」


「なら、ちょっと売店でマスク買ってくるから、待ってて。」


「あら? 風邪?」


「違うわ! 変装するんだよ! 変装!」


「何で?」


「そりゃ、ある程度顔が知られてるだろうからね。騒がれるのも嫌じゃんか。」


「それは違うわ!」


「はい? 何で?」


「今は新人として顔を売らなきゃいけない時期なのよ。もっと堂々と見せびらかせなさい!

 隠すのは売れてからで良いわ。」


「えー」


「い・い・わ・ね!」


「イエス・マム!」



結局素顔を見せたままの移動となってしまったのだ。


ザワザワザワ……


案の定、チラチラとこっちを見ながら騒がれている。一応ねーちゃん達がマネージャーとしてがっちりガードしているため、近寄ってくる輩は居ないのは助かるのだが、この視線にさらされているってのは慣れていないからか、落ち着かなくて意心地悪いんだよね。


ん? あそこにいるのは同じクラスの山田と加藤じゃねーか。2人してこっちを見て何か話をしているな。もしかして俺ってバレたんじゃないだろうな。

何かスマホを操作しているな……


ブーブー


その時俺のスマホが振動した。思わず飛び上がりそうなほどビックリしたのは内緒だ。

そっと、スマホを取り出して確認してみる。



{今電車の中で例のCMの子発見!〕


{マジ! 何線?〕


{西縦線で玉川を過ぎたとこ〕



この会話に参加しないのも不自然か。



  〔へぇ~良いな。俺も見て見たかったぜ}


{そう言うと思った。ほれ

 (写真)〕


{おまっ、それ盗撮〕


  〔通報しますた}


{芸能人だからセーフ〕



やべぇ! もろスマホを操作している俺じゃんか!



{大丈夫大丈夫。色んな人がSNSで上げてるみたいだし

 (https://***.*****.**.**/N042678/)〕



マジだった……肖像権どこいった?

そんなことをしつつ、目的の駅に到着したみたいだ。

結局、最後までバレなくて良かった良かった。

まぁ、自分で言うのも何だが、本人が見ても可愛い女の子にしか見えないから当然っちゃ当然か。


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