022
「~で、そんなこと言ってたんだよね♪」
何だろう。俺の事情を告白した後からは、すっかり仲良くなった気がする。
「ん? どうしたのよ。」
「いや、随分と気楽に話す様になったな~と思ってさ。」
「私ね、千秋ちゃんがその恰好をしている時は、普通に女友達として接するようにすることに決めたの。実際、違和感も無いしね。」
「男の恰好だった場合は?」
「……その時まで内緒。」
「そっか。」
「そう言えばずっと気になってたんだけど……えいっ!」
突然、舞ちゃんが俺の胸を揉みだした。
「えっと、何をやってるの……かな?」
「見て分からない? 胸を揉んでいるのよ。」
「それは分かるけど。」
「大きいし、柔らかい中にも絶妙な硬さも有るし、本物みたい。これって本当に偽物なの?」
「もちろん偽物だよ。沙月ねーちゃんが、大学の映画研究会で特殊メイクを勉強しているらしく、それの御蔭だね。」
「へぇ~、触り心地は偽物とわからないくらいだから問題ないとして、見た目はどうなの?」
「プロが見ても分からないって言ってたから大丈夫なんじゃないかな。」
「そうなんだ。」
「引っ張ったら取れる?」
「特殊な接着剤を使ってるから、剥離剤を使わないと取れないかな。」
「ふ~ん。」
そう言いながらも、舞ちゃんは俺のおっぱいを揉み揉みしていた。
「あ、あの……そろそろ離して貰えると助かるんだけど。」
「あ、ごめんね。」
俺がそう言うと、舞ちゃんは俺の胸からようやく手を放してくれた。ほっ……
揉まれたとしても感覚が無いため、感じるとかそういったことは無いのだが、何となくいけないことをしている気持ちになるのは何でだろうな。
「とりあえず、これからは、一蓮托生のパートナーとして宜しくね。」
「あ、うん。こっちこそ宜しくお願いします。何時まで続けられるかは分からないけど、やれるうちは精一杯頑張るから。」
「うん! あ、メアドとLINヨも交換しようよ!」
「そだね。」
こうして俺は、舞ちゃんと一緒にアイドルとして、改めて頑張ることを誓ったのだった。