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「よし、今日はここまで。」
「「ありがとうございました。」」
「次のレッスンは3日後だ。毎日のトレーニングはちゃんとやっとけよ。」
「「はい。」」
「後は、木村さんの宿題も考えておくんだぞ。」
「「はい。」」
「よし、解散。」
「「お疲れ様でした。」」
後片付けをして、帰る準備をする。
さて帰ろうかとしたところで、舞ちゃんがやってきた。
「ちょっと話がしたいんだけど、良いかな?」
「あ、えっと、その……はい。」
俺は頷くしか出来なかった。
「じゃあ、近くのファミレスで良いかな?」
「うん。」
レッスン場の扉を開けると、梓ねーちゃんと、20代後半くらいの男性が仲良く話していた。おや?
そして、出てきた俺達に気が付いた2人がこちらへとやってきた。
「舞ちゃん、千秋ちゃん、お疲れ~」
「「お疲れ様です。」」
男性がにこやかに挨拶してきた。この人は誰だろう?
「えっと?」
「ああ、ごめんごめん。僕は音響を担当している大野だ。此処の音響は全部僕が見てるんだよ。」
「そうなんですね、凄いです。」
なるほど、ここにある音響はこの人が整備しているんだな。そして、そこそこのイケメンさんだな。
「次は私の番ね。千秋は知ってるから良いとして、舞ちゃんは初めましてね。
あなた達のマネージャーとなった『斉藤 梓』よ。宜しくね。」
「宜しくお願いします。えっと、斉藤と言うことは……」
「そうよ、千秋の姉になるわね。」
「千秋ちゃんのお姉さん……」
「今日はこれでオフだけど、どうする? 家まで送ろうか?」
「えっと、これから千秋ちゃんとファミレスに行こうと思ってますので、後は大丈夫です。」
「そっか。さっそく仲良くなったみただね。じゃあ私はこのまま帰らせて貰うわね。千秋、舞ちゃんのこと宜しくね。」
「あ、うん。」
正直、梓ねーちゃんについて来て貰いたいんだが……無理かな?
「だったら梓さん。親睦を兼ねて、僕達も何処かに食べに行きませんか?」
「良いんですか? 是非お願いします。」
あら? そっちはそっちで良い感じになってる? と言うか決定みたいだ。梓ねーちゃんのサポートは無理らしい。
「じゃあ千秋、私達は行くからね。あまり遅くならない内に帰りなさいね。」
「うん。」
「舞ちゃん、また今度ゆっくりお話ししましょうね。」
「あ、はい。」
梓ねーちゃんはそう言うと、大野さんは一緒に仲良く行ってしまった。
「行こっか。」
「そうだね。」
俺達もファミレスに移動することにした。




