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017


レッスンした次の日、梓ねーちゃんに次のレッスン日の連絡が入った。



「千秋ー、次は3日後の土曜だって。朝からのレッスンだから忘れずに起きるんだよ。」


「へいへい。」


「長谷川さんにも毎日の練習を言われてるんでしょ? サボるんじゃないからね!」


「わ~ったって。」



言われた練習は、腹式呼吸の使い方や、腹筋等のトレーニングだった。発声練習は下手に自己流でやると駄目らしいので禁止されていた。

その代わりなのか、発音の練習はするように言われていた。まぁ、活舌をよくするためのトレーニングだな。

それじゃ、怒られる前にちゃっちゃとやりますか。



「あえいうえおあお、かけきくけこかこ、さしすせそさそ……」


「生麦生米生卵、隣の客はよく柿食う客だ、赤巻紙青巻紙黄巻紙、東京特許許可局、バスガス爆発……」


「拙者せっしゃ親方おやかたと申もうすは、御立会おたちあいの内うちに御存知ごぞんじの御方おかたも御座こざりましょうが……」



次は筋トレだ! まずは腹筋から。

足を少し上げてクロスにして、体を起こしたままその体勢を維持する。



「いち、にー、さん、しー、ごー……さんじゅう!」



次は背筋だ。うつ伏せになって頭の後ろに手を組んで体を上げる。



「いち、にー、さん、しー、ごー……さんじゅう!」



次は腕立て伏せの恰好になって、肘をついた状態でその恰好をキープする。



「いち、にー、さん、しー、ごー……さんじゅう!」



最後はプランクの状態からそのまま体を横にして片手は腰に当てたままの恰好をキープする。これを左右どちらも行う。



「いち、にー、さん、しー、ごー……さんじゅう!」


「いち、にー、さん、しー、ごー……さんじゅう!」



後は、全部を3セットやって終わりだ。

他にも色んな体幹トレーニングが有るみたいだが、最初っから全部は無理なので、徐々に増やしていくみたいだ。


最後は腹式呼吸だ。

仰向けになってお腹に手を当てる。息を吸ったらお腹が膨らむように、吐く時はへこむように意識させてゆっくりと呼吸をする。これを30回やれば終わりだ。



「終わりっと!」



1つ1つはそれほど時間は掛からないとはいえ、全部やるとそれなりに時間はかかる。これを毎日やらなきゃいけないって、結構大変だな。

ねーちゃん達に逆らえないから、やるんだけどね。ホント、俺はいったい何処を目指しているんだろう……


そんなこんなで日々が過ぎて行き、レッスン日の土曜となった。



「さて、着替えますか。」



実は毎日、トレーニング以外にも、特殊メイクと化粧の特訓もさせられていたのだ。

その特訓の御蔭で、一人でも準備が出来るようになったのは、良いことなのだろうか、駄目なのか、最近良くわからなくなってきた気がする。

多分駄目なんだろうな……


胸にシリコンを付けて、化粧して、ウィッグを付けて整えたら完成だ。

千歳ねーちゃんにも、沙月ねーちゃんにも合格を貰えたので、一人で全部出来るのは、ある意味助かっている。

もう、あんな辱めは受けたくないからな。


準備が出来たので、梓ねーちゃんと一緒に出掛けるのだった。

前回同様、受付で場所を聞いてレッスン場へと向かう。


今回はピアノを弾いてないんだな。そんなことを考えながら扉を開ける。



「私はここで待ってるわ。頑張って来なさい。」


「はいよ。」


「言葉!」


「は~い。」



さて、今日も頑張りますか。


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