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【完結】倫敦《ロンドン》  時折《トキオリ》、春 〜君を辿って〜   作者: 木村空流樹
第一章

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過去 十八 モガの警告

 家に帰る(タメ)、階段を上っていた。


 部屋のドア前で、(せつ)が腕を組んで仁王立ちになっている。

 もう(ウト)ましくするつもりはなく、明継は笑い掛けた。

 節の方が余計、気味悪そうな顔をする。


「何だい……。」


「警告に来たの。貴方を、慶吾隊(けいごたい)が捕まえに来るわよ……。」


「へぇ。」


 ()けるつもりはなかったが、明継(あきつぐ)の口調からそうなった。


紅隆御時宮こうりゅうおんときのみや様の誘拐容疑でよ……。此の部屋に、御時宮(おんときのみや)様がいらっしゃるでしょ。」


「あぁ……。今日にでも逮捕かい。」


 血が頭に上っている(せつ)の問いに、明継が流した。


 (せつ)は、余りに自然に、認めた方に驚いた。

 少しの間沈黙が続く。


 明継は、節に何を聞かれても、大丈夫だと決めていた。


 彼は冷静だった。


「明日には、来るでしょうね……。」


 明継は、口を開かなかった。


慶吾隊(けいごたい)が動けなかったのは、皇の権威があったからよ。誰かが、御時宮(おんときのみや)様の捜査を妨害していたらしいわ。隊ですら、今迄(イママデ)動けなかったようね。()の上、三年間も捜査しているのだから、遅過ぎるくらいよ。」


 明継は、律之(りつの)の顔が()ぎった。


「もっと、慌てると思ったわ。今迄、御時宮(おんときのみや)様の話をすると、可笑(オカ)しくなっていたのに……。」


「もう決めた。一つ質問だが……。(こう)は、私が逮捕される寸前(スンゼン)だと知っているのか。」


「いいえ……、全く。」


「では、話さない方が良いな。黙った(ママ)で良いよな。」


 独り言のように(ツブヤ)いて明継は、節を押し退けると、紅の待つ部屋へ入って行った。


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