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クラスの美少女2人と美人1人はもう攻略済みだった?

明日からは更新ペース落ちますのでご容赦ください。

そして入学式。


さすがミッション系の元女学園。

先輩たちの綺麗な讃美歌を入学式で聞けるとは思わなかった。


そして生徒会長から入学生へのお祝いの言葉。


「みなさん、入学おめでとう!」


って、マリア姉さんじゃないか!


「…これからも私たち先輩をお姉ちゃんと思って頼ってくださいね」


そう言ってマリア姉さんの目線が俺の方を向く。


にこっ


「「「ああっ、聖母マリアさまああ…」」」


あっ、俺の周りの男子と女子が数名気を失ったぞ。


俺は彼らを倒れる先から受け止めてはそっと寝かせていく。


まったく、マリア姉さんの微笑みは慣れていないと気を失うほど魅力的なんだから不用意にやらないでほしいものだ。


別に独占欲があるわけじゃないけど、何だか他人には本気の微笑みを見せてほしくないな。



入学式が終わり、クラス分けの発表があり各クラスに移動する。


「レイジ、どうやら違うクラスみたいだな」

「スポーツ推薦とかで集めているんじゃないかな」


そうしないと、進学校の勉強についていけないだろうからな。



初めてできた友達と違うクラスかあ。

休み時間に遊びに行こうかな。


席はあらかじめ名前がふせんで貼ってあったのでそこに座る。


後ろのど真ん中か。

ラノベの主人公なら窓際なんだけどな。


ん?

ふと自分の席の両側の机に貼られたふせんを見る。


『朝霧夕菜』

『本田瑠璃』


巻物の最初に書いてあった二人じゃないか!


驚く俺の目の前で当人たちが席に着く。


黒髪ロングでお嬢様のような雰囲気を持ちながらも、その気の強さで数々の男子が玉砕した朝霧夕菜。


その親友である茶髪ショートカットな活発系美少女の本田瑠璃も多くの告白を袖にしてきた。


そんな二人の間に挟まれてしまって大丈夫かな?と思ってキョロキョロしていると朝霧さんと目が合った。


「お、おはよう」

「綿山くんよね。前の学校でクラスは違ったけど知っているわ」

「え?そうなの?」

「ええ、『奴に触れるなアンタッチャブル』って私のクラスでは言われていたわ」


別にみんなを怖がらせるようなことしていないはずなんだけどなあ。


「でも、私は気にしないわ。これからよろしくね」


くすっと笑った朝霧さんの表情にドキリとする。


そう言えば、今の会話からすると、朝霧さんは俺の嫁になるってこと知らないのかな?


久遠があの巻物に名前が書いてあると絶対に嫁になるみたいなことを言ってたけど、もしかして『これからの努力でそうしないといけない』ってことなのかな?


くいくい


ん?


服を引っ張られて振り向くと、本田さんが椅子をこちらに寄せてきている。


「ねえ、綿山君」

「俺の事知ってるの?」

「有名人だったじゃないの。まあみんな近づくのを怖がっていたけどね」


やっぱりそうなのか。

どうしてかまったく身に覚えが無いんだけど。


「それでね、お願いがあるんだけど」

「何?」


本田さんみたいな可愛い子にお願いされたら断れないと思うけど、一体何だろう?。


「席を代わってくれない?親友の夕菜の隣がいいの」

「勝手に代わってもいいのかな?」

「大丈夫大丈夫!もし先生に怒られたら私が一緒に謝るから」

「まあ、いいけど」


俺と本田さんが席を交換しようとすると、驚いた表情をする朝霧さん。


「瑠璃、何してるの?!」

「夕菜の隣になりたいから、席を交換してもらうのよ」

「それなら私が綿山君と代わるわ!」

「どうしてよ?どっちでも同じでしょう?」

「同じなら私が代わってもいいのよね?」


何だか揉め始めたぞ。


「ほらほら、席に着いて!」


先生が教室に入ってきたので俺は結局元の席に戻る。


朝霧さんと本田さんは親友同士のはずなのに、どうして俺と席を換わることで揉めたんだろ?


まさか俺が親友の隣に居るのがいやで、遠ざけようとしたとか?


そうなると、二人を俺の嫁にするのはなかなか難しいかもしれないなあ。


「私はこのクラスの担任の…」


あっ、しまった。

ホームルームが始まったぞ。


黒板に名前を書いているから後姿しかわからないけど、先生って大きな安産型のお尻で…なんてシスターの服を着ている先生にそんなこと考えたら不敬かな。


「担任の神野晶です。1年間一緒にがんばりましょう」


そう言う神野先生の笑顔はとても素敵だったが、それ以上に俺は驚いていた。


神野晶も巻物に書いてあった名前じゃないか!

まさか先生まで入ってるの?!

しかもシスターだよね?


「先生!恋人はいますか?!」


早速男子生徒から質問が飛ぶ。


「先生は『神』と結婚していますから」

「「「おおーっ」」」


祈るように手を組んで目を閉じた神野先生を見て、みんなは敬虔な神の使徒であると納得したみたいだ。



「ねえ、これ」


そんな中、朝霧さんからメモを渡された。


『RINE交換して』


ええっ?!いきなりどうして?!


すると本田さんからもメモが渡された。


『RINE交換してもらえる?』


こっちも?!


とりあえず、二人がこそっと出してきたスマホに対して俺もスマホを出してRINEを交換する。



ピロン


早速RINEが送られてきた。


夕菜『旦那様。これからよろしくお願いします。これからは夕菜とお呼びください』


ぶぶっ!


ピロン


瑠璃『あなたって呼んでいいですか?私の事は瑠璃って呼んでね』


おいいっ!


何だ、もう二人とも俺の嫁になること了承済みなの?それでいいの?


夕菜『瑠璃には黙っていてくださいね。親友の私が旦那様と結婚したと知ったらショックを受けるかもしれないから』


ピロン


瑠璃『親友の夕菜には私たちの関係を教えないでね!せめて高校卒業してからじゃないと』


さっきから二人の行動や文面がそっくりすぎるんだけど!


この二人ってそもそも自分が100人の嫁のうちの1人って自覚が無いのでは?


これってどうしたらいいんだろうか?



穏便に済ませられる方法なんて考えるより、100人も嫁さんをもらうんだからきちんと説明することにしよう。

そのほうがいよな。



「綿山君」

「はいっ?!」


いきなり目の前で神野先生の声がして慌てて顔を上げると、美人な先生の顔が引きつっていた。


「初日の大切な連絡を真面目に聞かないとは、中々根性あるわね」

「す、すみません」

「綿山君はホームルームが終わったら生徒指導室に来なさい」

「はい」


俺の方を見てすまなさそうにする夕菜と瑠璃。


俺はアイコンタクトで二人に『大丈夫』と答えた…つもりだ。


ボッチだった俺はアイコンタクトに慣れてないから、あとでRINEできっちりと『大丈夫』と言っておこう。





『生徒指導室【懺悔室】』


生徒指導室に行くと、そこは懺悔室だった。


「綿山君はこちらの部屋に入りなさい」

「はい」


そして先生は隣の部屋に入っていく。


俺と先生の間に木でできた格子状の窓が付いていて、相手の顔はまったく見えない。


でも、俺の座ってる椅子って窓に対して横向きになってて、まるで俺が『聞く側』みたいなんだけど。


「神様」


いきなり向こうから神野先生の声がする。


「神様。私は聖職者でありながら、夕べあなたとの出会いを想像して3回も自慰をしてしまいました」


先生!いきなり何を言ってるの?!


「神様の妻としての務めを果たすだけでなく、ここでは教師としてふるまわなければならないのに、神様に目を奪われて、授業中にも関わらず不覚にも濡れました」


おい、このシスターヤバいぞ。


「今も、この密室で、神様と二人きり、はあ、はあ、なので、はあ、もう、はあ、我慢が、できません。神様、そちらに行ってもよろしいでしょうか?」


さっきから言う『神様』ってまさか俺の事?!


こんなケダモノの呼吸をするシスターが同じ空間に来たら危険すぎる!


「まず、落ち着くために100数えなさい」


とりあえず時間稼ぎをしないと!


「わかりました。1、はあ、2、はあ、3、はあんっ、4、はあ、5、はあ、6、はあんっ」


3の倍数だけ喘ぐとかやめてっ!


とりあえず俺は神野先生が100を数えている間にこっそりと懺悔室を抜け出し、生徒指導室から出た。

お読みいただきありがとうございます!

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