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オルレアンの乙女を力づくで助け出す

ジャンヌについては史実と違う部分もあります。ご了承ください。

処刑場は黒山の人だかり…ではなく、フランス人だけに金髪や栗色の髪色が多く、金山・栗山の人だかりだ。

…ってわけわからんけど。


「近くに行くのは難しそうだな」

「でも、処刑台の上にはまだ誰もいないわ」


マリア姉さんの言う通り、薪の上に作られた処刑台にはまだジャンヌは括り付けられていなかった。


「あっ!アニキ!あれ見て!」


カレンに言われた方を見ると、紐と鎖でつながれた少女が連れてこられていた。


「あれか!」

「すごくやつれているわね」

「ひどいでござるな!」


ここに来るまでにジャンヌの事情を聞いていたアヤメは怒り心頭だった。


「すぐに助けるでござる!」

「いや、これもアヤメの時と一緒で死んだふりをさせないといけないんだ」

「面倒でござるな!」

「自分が言うなよ。でも、フィーネの幻覚を使えば楽勝じゃないかな。あれ?」


「○×△?!」

「◇□#$!」


ジャンヌを連行している兵士の1人が俺たちを指差して何か言っている。


「何だ?」

「たぶん、『怪しい服装の奴がいる!』『ジャンヌを奪い返しに来た悪魔かもしれん!』とか言ってるんじゃない?」

「まさか?」


しかし兵士たちが槍を振りかざしてこちらに向かってきたところを見ると大当たりかもしれない。


「くそっ!ロリな女神が何の準備も無くいきなりこの世界に送り込んだせいだぞ!」

『ロリーナよ!』

「聞こえてるならちょっとは助けろ!」

『そこは過去だから私では無理なの!』

「役に立たない神様だなっ!」


俺は兵士たちに突っ込んでいくと突き出された槍を掴んで忍者の館と同じ要領で敵兵士ごと持ち上げ…


ばきっ


「あっ、槍が折れた」


槍の柄が戦国時代のものより弱く、兵士の鎧が鉄製で重いせいだろう。


「それなら『兵士ミサイル』!」


俺は兵士の1人を抱え上げると投げつける。


「ぎゃあああっ!」

「ぐわあああっ!」


悲鳴はフランス語でも一緒か。


「どんどんいくぞっ!」


槍を折り兵士を投げながら俺はジャンヌの元に進んでいく。


「ひーっ!」


恐れをなした観衆たちが逃げていく。


「逃がさないわよ」

「はうっ!」

「はわっ!」

「ぐっ!」


その観衆たちが次々と倒れていく。


「マリア姉さん?!」

「全員気絶させるわよ」

「わかった」


俺は兵士の首に手刀を叩きこんで気絶させていく。


「私も手伝うぞ!」


明日香先輩が連行している司祭っぽい人たちを合気で回転させて脳天から落として気絶させていく。


武器を持っていない相手なら怖くないから本来の力が出せるんだな。




「全員気絶させたたけど、ここからどうするんだ?」

「設置完了だよ!」


いつの間にかカレンが処刑台の上に何かを設置していた。


「起爆装置と爆薬だよ」

「爆薬なんて持ってたのか?!」

「忍者の館にたくさんあったから幾つかもらってきたの」

「危ないから全部ここに捨てて行きなさい!」

「ちぇっ、けちー」


そして俺たちは呆然としているジャンヌを助け出すと、処刑場が見える丘まで撤収する。


「じゃあ、フィーネ。処刑台の上にジャンヌの幻影を出して」

「はい」


フィーネが魔法で処刑台の上にジャンヌの幻影を作り出す。

結構な距離があるのにたいしたものだ。


「じゃあ、みんなを起こすね」


カレンがリモコンスイッチを押すと処刑場に爆音が轟いた。


「爆弾にしては音だけだな」

「目覚まし用だから火薬をうんと減らしたからね」


その音で見る見る観衆や刑の執行者や兵士たちが目を覚ましていく。


そして既に処刑台に乗っているジャンヌを見て、慌てて足元の木に火をつけ始めた。


全員気絶させられるという奇っ怪なことが起こったから、これ以上なにか起こる前に処刑する気なのだろう。


「よし、今だ!点火!」

「了解っ!」


ぽちっ


ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!


「ぎゃあああああっ!」

「ひええええええっ!」


いきなり処刑台が激しく燃えて逃げ惑う人々。


「カレン、やり過ぎだっ!」

「だって、全部爆弾使えって言うから」

「それにしても激しく燃え上がっているわりによく爆発しないな」

「手筒花火の要領だよ」


相変わらず技術的なことはすごい妹だ。


そして激しい炎はジャンヌの幻影を焼き尽くすように燃え盛り、幻影は揺らめかせて消した。


これで骨も残さず燃え尽きたと思ってくれればいいだろう。


「よし、帰るぞ」


ふるふると頭を左右に振っているジャンヌ。


そういえば得体のしれない服装の俺たちが勝手に助けて、しかもあんなことをしたら、ジャンヌからも俺たちが悪魔の使いと思われたか?


「誰かフランス語できないか?」


全員首を横に振る。


「よし、連れ帰ってから説得しよう」


俺はナイフで自分の指先を切ると全員に舐めさせる。

パンとワインはもう無いからだ。


「私たちはキスでいいのに」

「そうですわよね」


そういうマリア姉さんとフィーネもしぶしぶ俺の血を舐める。


しかしジャンヌは差し出された血を恐れて舐めようとはしない。


「ねえ、アニキ、こういう時は強引にキスしたら?」

「するかっ!」

「でも時間無いよ」

「血を体内に入ればいいんだな?それならこれでどうだ?!」


俺はジャンヌの耳の穴に血の滴る指を突っ込んだ。


「ひゃんっ?!」


『体内に取り入れるには飲むか粘膜に触れさせないとだめよ』


粘膜って…


「ここかっ!」


俺は指先をジャンヌの鼻の穴につっこんだ。


「ひゃっ?!」


その瞬間に周囲の景色がゆがみ…





俺たちは元の時代へと戻ってきたのだった。


「レイジおかえりなのじゃ…なんじゃそれは?!」


俺はジャンヌの鼻の穴に指を突っ込んだままだった。


バリバリバリバリ


当然、怒ったジャンヌに顔を掻きむしられる。


「ごめん」

「まったく、なんてことするのよ!」

「ああしないと、俺たちの時代に戻れなくてさ…あれ?」

「あら?あなたたちの言葉がわかるわ?」

「本当だ?!」

「現代に連れてこれば私の力を与えられるからよ」


女神ロリーナの奇跡か…って今の言葉って頭の中じゃなくて俺の横から聞こえたような?


「誰?」


俺の横に居たのは見慣れない小学生くらいの女の子が居た。


「私が女神ロリーナよ」

「「「「「えーっ?!」」」」」


確かに女神っぽいい服着ているし、絵にかいたような美しさだけど…


「子供?」

「子供じゃないわよ!これでも4000年以上生きているのよ!」

「おばあさん?」

「無礼ね!」


じゃあロリババアという奴なんだろうけどもう言うのはやめておいた。


「そもそも、私の夫になるくせに妻を『おばあさん』って言うなんて…」

「え?」

「お前の姉がそう言ったからここに来たのよ!ジャンヌを助けてくれたお礼なんだからねっ!ジャンヌの代わりに仕方なく嫁になるだけなんだからっ!」


プリプリ怒っているようだが頬が赤くなって可愛い。


「でも、中身はともかく外見が10歳児の女の子を嫁にするとか犯罪だよな」

「何を言っておるのじゃ。レイジは例え実年齢4才の幼稚園児を妻にしても『自然の摂理』と思われるのじゃぞ」


何それ。


重婚オッケーどころか何でもありか。


「わたし女神ロリーナは、レイジを夫にするから…大切にしなさいよ」

「ああ、わかったよ」

「じゃあ、ほら…」


目を閉じてこっちを見上げてくる女神ロリーナ。


えっと…。


「何をしておるのじゃ?ぶちゅっとせんか!ぶちゅっと!」

「久遠!結婚はいいかもしれないが、さすがにこれはちょっと…」

「遠慮は無用じゃ!」


俺と久遠が押し問答していると、ジャンヌが女神ロリーナ…長いので以降ロリーナで…の元に行き、服をくいくいとひっぱる。


「ん?何かしら?」

「あなたって女神様なのよね?」

「そうよ」

「事情はそこにいるマリアって人に聞いたけど…助けてくださってありがとうございます」

「別にたいしたことではないわ。ただ、あなたのような無垢な少女が時の輪に囚われて輪廻転生していけないのを見過ごせなかっただけ」


そう言いながらも礼を言われて嬉しそうにしているロリーナ。


「あなたは大天使ミカエルの知り合い?」

「あれは『違う国』の神だから会ったことは無いわ」

「どうしたら会えるかしら?」

「ミカエルに頼まれて国を救ったのだから、死んでから会えると思うわ」

「死んでから…」

「この時代で好きに生きて行けばいいわよ」

「4年…」

「え?」

「私の青春時代の4年を返して!」

「ええっ?!」

「ミカエルに会ったら文句言ってやるつもりだったの!何よ!私をさんざん煽って働かせておきながら肝心な時には助けないで!捕まった後もどれほど怖い目に遭ったか!私は、私はっ!自分の『乙女』を守るために『女を捨てた』のよ!」


どういうこと?


「牢内で乱暴されないために男装していたって史実にあったけど」


だからマリア姉さん、何でそんなにジャンヌに詳しいんだよ。


「そのくらいでは駄目だったわ。だから…拷問された時に隙を見て…私は自分で自分の『女』を焼きつぶしたのよ!」


そこまでしたなんて!


ぎゅっ


「ごめんっ!辛かったな」

「え?えっと、もしかしてあなたがミカエル?」

「いや、俺は綿山レイジだ」

「ワタヤマ、レイジ?どうしてあなたが謝るの?」

「もっと早くに君を助けに行けばよかったから」

「それは私の責任よ!」

「ロリーナの責任は夫である俺の責任だ。すまなかった」

「それなら責任取ってよ」

「え?」

「私も…あなたの妻にしなさい!」

「そ、それはだめよ!ジャンヌは世界の至宝!こんな無名の男に嫁ぐなど…」

「女として役に立たない私を妻にできるかしら?」

「できるよ」


俺は即答する。


「むしろ俺なんかでいいのか?」

「本当にこんな私を妻にすると言うの?私を抱くこともできないのよ」

「できるさ」


ぎゅっと俺はジャンヌを抱きしめる。


「はう…ち、違うわよ!男と女の営みのことよ!」

「それなら心配ないのじゃ。レイジには100人の嫁ができる予定じゃから。エッチができない妻も一人や二人いるはずなのじゃ」

「種族が違うとかそういうことかな?」

「あら?わたくしはエルフですけど大丈夫ですわよ」

「ほら、レイジくん。話がそれているわよ」


なんだかマリア姉さんが焦ってるけど、時間が無いのかな?


「100人の嫁って…私の事もきちんと愛してくれるの?」

「愛するし、守るよ。もう2度と辛い目になんか遭わせないから!」


そのままぎゅうっと強く抱きしめる。


「はう…うん…ありがとうレイジ…」

「ところでフィーネ。彼女の傷を治せないかな?」

「それが…わたくしは回復魔法が苦手ですの」

「それならいい方法があるわ」


きゅっとジャンヌの手を握るロリーナ。


「何?」

「こうするのよ」


ピカアアアアアアアッ!


ロリーナとジャンヌの体が光に包まれる。


そして俺の腕の中でジャンヌの体が少し縮んで…光が収まると、ロリーナとジャンヌが二人とも15歳くらいになっていた。


「私とジャンヌで外見の年齢を『平均化』したのよ」

「胸は平均化出来なかったのじゃな?」


確かにジャンヌは15歳にしては胸がある方で、ロリーナはぺたんこだ。


「うるさいわね!とにかくこれでジャンヌの体は旅に出る前の状態に戻ったわ。ついでに私も大きくなったから、これであなたとキスできるわよね?」

「そういうのはまた今度にしてくれないかな?今日は色々疲れたから」

「仕方ないわね」

「私の体…私の女が…治ってる?!」

「ぶっ!」


衣服をまくって大切なところの確認をしているジャンヌを見て、俺は慌てて後ろを向く。


「夫婦だから見てもいいのに」

「だから!そういうのは手順を踏んでからにしてくれっ!」


健全な男子高校生として興味はあるけどっ!


「あの…」

「どうしたの?アヤメさん?」

「拙者もレイジ殿の嫁にならないといけないでござるか?」

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